固定資産税・都市計画税の計算(住宅用地の特例・新築住宅の減額・負担調整、令和8年度)
課税明細書の土地・家屋の「価格」から、固定資産税と都市計画税を無料で計算。住宅用地の特例(200㎡以下は1/6)、前年度の額から毎年5%ずつ上がる負担調整、新築住宅の減額(令和8年4月から床面積40〜240㎡)、納期ごとの金額、家屋を取り壊して更地にしたときの税額も。条文どおりの計算で、広島市の公表例の税額を再現します。
令和8年度の固定資産税・都市計画税(1年分)
¥213,200
納期ごとの金額(4期の例)
| 納期 | 金額 |
|---|---|
| 第1期(4月) | ¥54,200 |
| 第2期(7月) | ¥53,000 |
| 第3期(12月) | ¥53,000 |
| 第4期(翌年2月) | ¥53,000 |
固定資産税と都市計画税を合わせて4回に分け、千円未満の端数は第1期にまとめます(地方税法第20条の4の2第6項)。納期の月・回数は市町村が条例で決めます(標準は4月・7月・12月・2月)。税額が小さいと、1回で全額を払う市町村もあります。
土地の課税標準額(住宅用地の特例と負担調整)
| 部分(面積・価格) | 本則の額 | 課税標準額 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地120㎡・価格¥25,000,000 | ¥4,166,667 | ¥4,166,667 |
前年度の課税標準額を入れていない部分は、住宅用地では本則の額、住宅用地でない土地では価格の70%で計算しています。実際の額が本則より小さい(負担調整の途中)なら、前年度の額を入れてください。
新築住宅の減額
令和7年度から令和9年度まで(3年度分)、家屋の固定資産税額の50%が減額されます。令和8年度は減額の期間で、¥91,000安くなります。
固定資産税額の1/2を、居住部分100㎡分(120㎡まで)について減額します。この家屋の床面積の要件は50㎡以上280㎡以下です(令和8年4月1日以後の新築は40〜240㎡、それ以前は50〜280㎡)。都市計画税は減額されません。認定長期優良住宅は、完成の翌年1月31日までに市町村へ申告します。
家屋を取り壊して更地にしたら
住宅用地の特例(1/6・1/3)がなくなっても、住宅用地でない土地の課税標準額は価格の70%が上限です。「6倍」にはならず、固定資産税・都市計画税の合計は、いまの3.6倍までです。取り壊した最初の年度は、附則第18条の3の「用途変更宅地等」の扱いで、前年度の課税標準額が「前年度の価格 × 負担水準」とみなされます。その後は、負担水準が60〜70%なら前年度の額に据え置かれ、60%未満なら毎年5%ずつ上がります。
概算のシミュレーションです。納税通知書・課税明細書の「価格」から、地方税法の計算を再現します。価格そのもの(評価額)は市町村が決めるので、このツールでは求めません。税率・納期・減免・条例による負担上限は市町村ごとに違うことがあります。令和9年度は評価替えの年で、土地の負担調整の制度も令和9年度の税制改正で決まるため、現行の制度が続くものとした試算です。固定資産税と都市計画税は、土地・家屋それぞれ課税標準額を千円未満、税額を百円未満で切り捨てますが、市町村が筆ごと・家屋ごとに切り捨てる場合は数十円の差が出ます。税務・不動産の専門的助言ではありません。
計算の流れ
- 税額は、課税標準額に税率を掛けて決まります。固定資産税の標準税率は1.4%、都市計画税の税率は0.3%までです(地方税法第350条、第702条の4)。課税標準額と税額は、納税通知書に付く課税明細書に載っています。
- 土地の課税標準額は、価格に住宅用地の特例の率を掛けた「本則の額」が基本です。住宅用地のうち200㎡以下の部分(小規模住宅用地)は固定資産税が価格の1/6、200㎡を超える部分(一般住宅用地)は1/3。都市計画税は1/3と2/3です(第349条の3の2、第702条の3)。
- 住宅用地になるのは、家屋の床面積の10倍までの敷地です。二世帯住宅など住居が複数あれば、200㎡の枠が住居の数だけ増えます。店舗と一緒の建物は居住割合で率が変わります(施行令第52条の11)。
- 前年度の課税標準額が本則の額より小さい土地は、前年度の額に本則の額の5%を足した額までしか上がりません(負担調整、地方税法附則第18条)。住宅用地でない土地は、価格の70%を超えず、60〜70%は据え置きです。
- 家屋の課税標準額は、課税明細書の価格です。新築住宅は、一定の年度、固定資産税額の1/2(居住部分120㎡まで)が減額されます(附則第15条の6・第15条の7)。
- 課税標準額は土地・家屋それぞれ千円未満、税額は百円未満を切り捨てます。土地と家屋を合わせた課税標準額が免税点(土地30万円、家屋20万円。家屋は令和9年度から30万円)に満たないと課税されません(第351条、第20条の4の2)。
土地の価格別の税額(200㎡以下の住宅用地、負担調整が終わっている場合)
課税明細書の価格が2,000万円の小規模住宅用地なら、課税標準額は約333.3万円、固定資産税は¥46,600、都市計画税は¥19,900です。住宅用地でない土地(更地など)なら、同じ土地の固定資産税と都市計画税は、課税標準額が価格の70%まで上がって¥238,000になります。
| 土地の価格 | 課税標準額(1/6) | 固定資産税 | 都市計画税 | 合計 | 住宅用地でないとき |
|---|---|---|---|---|---|
| 1,000万円 | ¥1,666,000 | ¥23,300 | ¥9,900 | ¥33,200 | ¥119,000 |
| 1,500万円 | ¥2,500,000 | ¥35,000 | ¥15,000 | ¥50,000 | ¥178,500 |
| 2,000万円 | ¥3,333,000 | ¥46,600 | ¥19,900 | ¥66,500 | ¥238,000 |
| 3,000万円 | ¥5,000,000 | ¥70,000 | ¥30,000 | ¥100,000 | ¥357,000 |
| 5,000万円 | ¥8,333,000 | ¥116,600 | ¥49,900 | ¥166,500 | ¥595,000 |
| 8,000万円 | ¥13,333,000 | ¥186,600 | ¥79,900 | ¥266,500 | ¥952,000 |
税率は固定資産税1.4%・都市計画税0.3%、地積100㎡・家屋の床面積100㎡の住宅の敷地、土地だけの税額です。家屋の税額は含みません。前年度の課税標準額が本則に届いていない土地は、これより低い額から毎年5%ずつ上がります。
負担調整の例: 広島市の公表例を再現
広島市が公表している、小規模住宅用地200㎡の例です。価格は令和5年度の1,800万円(課税標準額は300万円)から、評価替えの令和6年度に2,100万円になりました。本則の課税標準額は350万円ですが、前年度の300万円からは毎年175,000円(本則の5%)ずつしか上がらず、令和8年度に350万円になります。このツールは、同じ計算で¥49,000・¥21,000(都市計画税)を出します。
| 年度 | 価格 | 前年度の課税標準額 | 課税標準額 | 固定資産税(相当額) |
|---|---|---|---|---|
| 令和6年度 | ¥21,000,000 | ¥3,000,000 | ¥3,175,000 | ¥44,450 |
| 令和7年度 | ¥21,000,000 | ¥3,175,000 | ¥3,350,000 | ¥46,900 |
| 令和8年度 | ¥21,000,000 | ¥3,350,000 | ¥3,500,000 | ¥49,000 |
「相当額」は百円未満を切り捨てる前の税額で、実際の納税通知書の税額は百円未満が切り捨てられます(令和6年度は44,450円相当で、44,400円)。
家屋を取り壊して更地にしても、税額は6倍にはならない
住宅用地の特例は、敷地に住宅が建っていることが条件です。取り壊すと、特例の1/6がなくなります。ただ、住宅用地でない土地の課税標準額は、負担調整で価格の70%が上限です。価格2,100万円(200㎡以下)の土地なら、住宅のときの¥70,000(固定資産税と都市計画税)が、課税標準額が価格の70%(上限)のときは¥249,900です。固定資産税は4.2倍(¥49,000から¥205,800)、都市計画税は2.1倍(¥21,000から¥44,100)で、合わせて3.6倍が上限です。取り壊した最初の年度は、市町村内の住宅用地でなかった土地の平均的な負担水準を前年度の水準とみなします(附則第18条の3)。それが65%なら¥232,000で、その後は据え置かれます。
1/6のまま比べた「6倍」は、課税標準額が本則の価格の100%になる場合の数字で、住宅用地でない土地には当てはまりません。上の「家屋を取り壊して更地にしたら」の欄で、お手元の価格で確かめられます。
よくある質問
Q.固定資産税は、誰が、いつ、いくら払いますか?
毎年1月1日(賦課期日)に、土地・家屋の所有者として登記簿に載っている人に課税されます(地方税法第343条、第359条)。4月から6月ごろに市町村(東京23区は都税事務所)から納税通知書が届き、年4回(標準は4月・7月・12月・2月)に分けて納めます。
税額は、課税標準額に税率を掛けて決まります。固定資産税の標準税率は1.4%です。市街化区域内の土地・家屋には、都市計画税が加わることがあり、税率は0.3%が上限です。市町村によって、1.4%を超える税率や、0.3%より低い都市計画税の税率の場合があります。
Q.土地の課税標準額は、どう決まりますか?
土地の価格(課税明細書の「価格」)に、住宅用地の特例の率を掛けた額が「本則」の課税標準額です。200㎡以下の部分は固定資産税が1/6、都市計画税が1/3。200㎡を超える部分は1/3と2/3です。たとえば価格2,000万円の小規模住宅用地なら、固定資産税の課税標準額は約333.3万円です。
実際の課税標準額は、前年度の課税標準額が本則に届いていない土地では、本則より小さくなります。前年度の額に本則の額の5%を足した額までしか上がらないからです(負担調整、附則第18条)。評価替えの年(令和6年度、次は令和9年度)に価格が上がると、この差が大きく出ます。課税明細書には、今年度の課税標準額が載っています。
Q.「200㎡以下」は、どう数えますか? 二世帯住宅やマンションは?
住宅用地になるのは、家屋の床面積(全部の階の合計)の10倍までの敷地です。そのうち、住居1戸あたり200㎡以下の部分が小規模住宅用地(固定資産税1/6)になります。敷地を住居の数で割って200㎡以下なら全部が小規模住宅用地、超えるなら「200㎡×住居の数」が小規模です(地方税法第349条の3の2第2項、施行令第52条の11)。たとえば300㎡の敷地の二世帯住宅(住居2戸)は、150㎡/戸なので全部が1/6です。
マンションは、敷地全体の面積と全戸数で数えます。自分の持ち分の面積と「住居1戸」で入れても、同じ割合になります。店舗と一緒の建物は、居住部分が床面積の1/4未満だと住宅用地になりません。1/4以上1/2未満は敷地の0.5、1/2以上は全部です(地上5階以上の耐火建築物は、1/2以上3/4未満が0.75、3/4以上が全部)。
Q.新築住宅の固定資産税の減額は、いつから何年ですか?
一般の住宅は、新たに固定資産税が課される年度(完成した年の翌年度)から3年度分、地上3階建て以上の耐火・準耐火建築物(マンションなど)は5年度分、固定資産税額の1/2が減額されます。認定長期優良住宅は、それぞれ5年度分と7年度分です(地方税法附則第15条の6・第15条の7)。対象は居住部分の120㎡までで、床面積150㎡の住宅なら、120/150を掛けた分の1/2が減ります(価格1,000万円の家屋で、100㎡なら¥70,000、150㎡なら¥56,000)。都市計画税は減額されません。
床面積の要件は、令和8年4月1日以後に新築した住宅から、それまでの「50㎡以上280㎡以下」が「40㎡以上240㎡以下」に変わりました(地方税法施行令附則第12条、令和8年政令第83号)。令和8年3月31日までに新築した住宅は、これまでどおり50〜280㎡です。240㎡を超える大きな家は、令和8年4月からの新築では対象外になります。認定長期優良住宅は、完成の翌年1月31日までに市町村へ申告します。
Q.免税点とは? 都市計画税はどうなりますか?
同じ市町村内の同じ人の、土地・家屋・償却資産それぞれの課税標準額の合計が、免税点に満たないと、固定資産税はかかりません。土地は30万円、家屋は20万円、償却資産は150万円です(地方税法第351条)。令和9年度分からは、家屋も30万円、償却資産は180万円になります(令和8年法律第2号)。
固定資産税が免税点未満の土地・家屋には、都市計画税もかかりません(船橋市などの案内)。なお、この判定は課税標準額で行います。住宅用地の課税標準額は価格の1/6なので、価格が180万円未満だと免税点に届きません。住宅用地でない土地は課税標準額が価格の70%までなので、価格が約43万円を下回ると免税点に届かない場合があります。
Q.空き家を解体して更地にすると、固定資産税は上がりますか?
上がります。住宅用地の特例がなくなるためです。ただし、住宅用地でない土地の課税標準額は価格の70%が上限なので、小規模住宅用地のときの固定資産税のおよそ4.2倍(都市計画税は2.1倍)が限度です(上の欄の例)。「6倍」になるわけではありません。最初の年度は、市町村内の住宅用地でなかった土地の負担水準を前年度の水準とみなします。
放置して傷んだ空き家は、空家等対策特別措置法の勧告(特定空家等、管理不全空家等)を受けると、家屋が建ったままでも住宅用地の特例が外れます。ツールの「空き家の勧告を受けた」にチェックすると、その場合の税額が出ます。
Q.納期ごとの金額は、どう分かれますか?
固定資産税と都市計画税の合計を4で割り、千円未満の端数は第1期に足します(地方税法第20条の4の2第6項)。たとえば年70,000円なら、第1期19,000円、第2〜4期は17,000円ずつです。納期の月・回数や、税額が小さいときに1回で納める基準は、市町村の条例で決まります。口座振替や、全期前納の報奨金の有無も市町村で違います。
Q.土地や家屋の「価格」は、どこで分かりますか? 新築の前には分かりませんか?
毎年届く納税通知書の課税明細書に、土地は筆ごとの地積・価格・課税標準額、家屋は床面積・価格が載っています。通知書がなくても、市区町村の窓口(東京23区は都税事務所)で、固定資産評価証明書や名寄帳を取れます。新築の家屋の価格は、完成後に市町村が調査して決めるので、契約や建築の前には分かりません。見積の目安が必要なときは、近い条件の既存の住宅の課税明細書の価格と税額を参考にします。
Q.令和9年度は、何が変わりますか?
令和9年度は3年に一度の評価替えの年で、土地・家屋の価格が変わります(総務省)。地価や建築費が上がっていれば、価格が上がることがあります。家屋の免税点が30万円になります(令和8年法律第2号)。令和8年4月1日以後に新築した住宅は、減額の床面積の要件が40〜240㎡になります。
土地の負担調整(毎年5%ずつ上げる、商業地等は70%上限)と、条例による負担上限の制度は、令和6〜8年度の期間の条文です。令和9年度以後の扱いは、令和9年度の税制改正で決まるので、このツールの令和9年度は「現行の制度が続く」と仮定した試算です。
Q.このツールに入っていないものは?
償却資産、農地・市街化区域農地、災害で被害を受けた住宅用地の特例、貸家・サービス付き高齢者向け住宅の減額、増改築・耐震改修・バリアフリー・省エネ改修の減額、固定資産税の減免、地価の下落による価格の修正(令和7・8年度)は計算に入れていません。マンションの共用部分の持ち分の按分、複数の筆に分かれた土地の筆ごとの端数、特定都市再生緊急整備地域(特別区内)の床面積の要件(50㎡以上)も、反映していません。実際の税額は、お住まいの市区町村の納税通知書で確かめてください。
家を買うときの返済は住宅ローンの返済シミュレーション、毎年戻る税金は住宅ローン控除の計算、売るときの税金は不動産売却の税金(譲渡所得税)で計算できます。
出典
- e-Gov法令検索 — 地方税法(第349条の3の2 住宅用地、第350条 税率1.4%、第351条 免税点、第359条 賦課期日、第702条の3 都市計画税の住宅用地、第702条の4 制限税率0.3%、第20条の4の2 端数計算、附則第15条の6・第15条の7 新築住宅の減額、附則第17条・第18条・第18条の3・第21条の2 令和6〜8年度の負担調整。令和8年10月16日施行の版)
- e-Gov法令検索 — 地方税法施行令(第52条の11 住宅用地の範囲、附則第12条 新築住宅の床面積・120㎡。令和8年8月22日施行の版。令和8年政令第83号 附則第6条で、床面積の要件は令和8年4月1日以後に新築した住宅から40㎡以上240㎡以下)
- e-Gov法令検索 — 地方税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第2号。第351条の免税点は令和9年度分から、家屋も30万円・償却資産は180万円に)
- 総務省 — 固定資産税の概要(評価替えは3年ごと、住宅用地の特例、標準税率1.4%)
- 広島市 — 土地の固定資産税・都市計画税の税額の求め方(令和8年度の計算例: 価格2,100万円・小規模住宅用地200㎡は、課税標準額350万円・税額49,000円、都市計画税は700万円・21,000円。令和5〜8年度の推移の表)
- 船橋市 — 都市計画税(固定資産税の免税点に満たないものは、都市計画税もかからない。税率0.3%、市街化区域内の土地・家屋が対象)
- 東京都主税局 — 条例減額(東京23区は、税額が前年度の1.1倍を超える住宅用地等を減額。平成29年度の資料。PDF)