新築住宅の固定資産税の減額は、令和8年4月から床面積の要件が40〜240㎡に(それまでは50〜280㎡)。何年度から何年、いくら安くなる?3年・5年・7年と、120㎡までの上限の効き方

新築住宅の固定資産税は、一般の住宅で3年度分、3階建て以上の耐火・準耐火建築物(マンションなど)で5年度分、認定長期優良住宅で5年度分と7年度分、税額の1/2が減額されます。令和8年4月1日以後に新築した住宅から、床面積の要件が「50㎡以上280㎡以下」から「40㎡以上240㎡以下」に変わりました(地方税法施行令附則第12条、令和8年政令第83号)。減額されるのは居住部分120㎡までなので、床面積150㎡の住宅は減額が40%、200㎡は30%です。初年度は完成した翌年度で、1月1日に完成していなければその年度は家屋に課税されません。完成した年ごとの減額の年度、床面積ごとの減額の割合を、条文から計算しました。

公開日 2026年10月23日

出典の確認・検証・訂正について

新築住宅の固定資産税は、一定の期間、家屋の税額の1/2が減額されます。この減額の床面積の要件が、令和8年4月1日以後に新築した住宅から変わりました。それまでは「50㎡以上280㎡以下」でしたが、「40㎡以上240㎡以下」になっています。コンパクトな住宅は対象になり、240㎡を超える大きな住宅は、令和8年4月からの新築では対象外です。地方税法と施行令の条文から、何年度から何年、どれだけ安くなるかを計算しました。

減額は、一般の住宅で3年度分、3階建て以上の耐火・準耐火建築物(マンションなど)で5年度分、認定長期優良住宅で5年度分(3階建て以上の耐火・準耐火建築物は7年度分)です。初年度は完成した翌年の年度で、たとえば2026年に完成した一般の住宅は、令和9年度から令和11年度までです。減額されるのは居住部分120㎡までなので、床面積150㎡の住宅は減額が40%、200㎡は30%です。

床面積の要件は、新築した日で変わる

住宅を新築した日床面積の要件45㎡の住宅260㎡の住宅
令和4年4月1日〜令和8年3月31日50㎡以上280㎡以下対象外対象
令和8年4月1日〜令和13年3月31日40㎡以上240㎡以下対象対象外

床面積は、家屋全体(全部の階の合計)で数えます。マンションなど区分所有の住宅は、専有部分ごとに判定します。さらに、居住部分が家屋の床面積の1/2以上であることが必要で、店舗などと一緒の住宅は、居住部分が半分に満たなければ対象になりません(地方税法施行令附則第12条)。令和8年4月1日以後に新築した住宅の新しい要件は、令和9年度以後の固定資産税から適用されます(令和8年政令第83号附則第6条)。なお、特別区の特定都市再生緊急整備地域にある住宅の下限は、新しい要件でも50㎡です。

何年度から何年度までか: 初年度は、完成した翌年の年度

減額は「新たに固定資産税が課されることとなつた年度」から数えます(地方税法附則第15条の6・第15条の7)。固定資産税は1月1日(賦課期日)に家屋が建っている人に課税されるので、2026年に完成した家屋は、2027年1月1日が最初の賦課期日で、令和9年度(2027年度)から課税され、減額も令和9年度から始まります。完成した年の年度は、その年の1月1日にまだ家屋がないので、家屋の固定資産税はかかりません。たとえば、令和8年1月に完成すると、令和9年度(2027年1月1日の賦課期日)が初年度です。

家屋の区分年数2025年に完成2026年に完成2027年に完成
一般の住宅(木造など)3年度分令和8年度〜令和10年度令和9年度〜令和11年度令和10年度〜令和12年度
3階建て以上の耐火・準耐火建築物(マンションなど)5年度分令和8年度〜令和12年度令和9年度〜令和13年度令和10年度〜令和14年度
認定長期優良住宅5年度分令和8年度〜令和12年度令和9年度〜令和13年度令和10年度〜令和14年度
認定長期優良住宅の3階建て以上の耐火・準耐火建築物7年度分令和8年度〜令和14年度令和9年度〜令和15年度令和10年度〜令和16年度

認定長期優良住宅の減額を受けるには、完成した日から、最初に課税される年度の1月31日までに、市町村へ申告します(地方税法附則第15条の7第3項)。期限を過ぎると、やむを得ない理由があると市町村長が認めた場合だけです。一般の新築住宅の減額は、申告が要らない市町村が多いですが、手続きは市町村で確かめてください。減額が終わった次の年度から、本来の税額に戻ります。

減額されるのは居住部分120㎡まで: 床面積が大きいと、割合が下がる

減額される額は、家屋の固定資産税額に、居住部分の床面積(120㎡まで)÷ 家屋の床面積を掛けた額の1/2です(施行令附則第12条)。床面積が120㎡以下で全部が居住部分なら、税額の1/2(50%)。120㎡を超えると、超えた部分は減額されないので、割合が下がります。

床面積(全部居住)税額のうち減額される割合家屋の価格が床面積×10万円のとき
40㎡50%固定資産税56,000円 → 減額28,000円
60㎡50%固定資産税84,000円 → 減額42,000円
100㎡50%固定資産税140,000円 → 減額70,000円
120㎡50%固定資産税168,000円 → 減額84,000円
150㎡40%固定資産税210,000円 → 減額84,000円
200㎡30%固定資産税280,000円 → 減額84,000円
240㎡25%固定資産税336,000円 → 減額84,000円

たとえば、床面積150㎡(全部居住)で価格が1,500万円の家屋なら、固定資産税は210,000円で、減額は84,000円(120/150を掛けて1/2)です。同じ税率で価格1,000万円・100㎡なら、140,000円から70,000円が減額されます。店舗などと一緒の住宅は、居住部分の割合もかかります。床面積150㎡で居住部分が90㎡なら、割合は90/150×1/2=30%です。都市計画税は、どの場合も減額されません。

ほかの注意点

3年と5年を取り違えやすいので注意してください。一般の新築住宅は3年度分で、5年度分になるのは、地上3階建て以上の耐火建築物・準耐火建築物(鉄筋コンクリート造のマンションなど)か、認定長期優良住宅です(附則第15条の6は、1項が3年度分、中高層耐火建築物の2項が5年度分)。認定長期優良住宅は、3階建て以上の耐火・準耐火建築物だと7年度分になります。

令和9年度から、家屋の免税点が20万円から30万円に上がります(令和8年法律第2号による第351条の改正)。評価額が低い古い家屋が、新たに非課税になる場合があります。また、令和11年4月1日以後に新築する住宅は、災害リスクの高い区域内の住宅などが減額の対象から外れる改正が、すでに決まっています(附則第15条の6・第15条の7の改正)。建築予定地が、災害危険区域や土砂災害特別警戒区域などに入っていないか、確かめておくと安心です。

この計算に入っていないこと

貸家(賃貸住宅)・サービス付き高齢者向け住宅の要件、建替えの特例、増改築・耐震・バリアフリー・省エネ改修の減額、固定資産税の減免は入れていません。床面積の数え方(共用部分の持ち分を含めるか)や、減額を受ける手続きは、市町村ごとの案内に従ってください。実際の税額は、固定資産税・都市計画税の計算に、家屋の価格・床面積・完成した年月を入れて確かめられます。家屋の価格は、完成後に市町村が調査して決めるので、建てる前には分かりません。

出典

この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、税務・法律・投資その他の専門的助言ではありません。金額は概算の目安で、制度や金利は変更されることがあります。個別の状況については、税理士・社会保険労務士・金融機関などの専門家にご相談ください。