遺族年金の計算(遺族基礎年金・遺族厚生年金・中高齢寡婦加算、令和8年度)
夫(妻)が亡くなったとき、遺族基礎年金(子の加算つき)・遺族厚生年金・妻の中高齢寡婦加算が、いつからいつまで月いくらかを無料で計算。子が18歳の年度末を迎えるたびの変化、65歳までの総額、65歳以降の遺族厚生年金(自分の老齢厚生年金との調整)まで。令和10年4月の見直しの内容も。
妻が65歳になるまでに受け取る総額
¥39,144,470
遺族年金は、亡くなった月の翌月分から。年金は偶数月に前の2か月分が支給されます。合計は、各月の額(年額÷12)を足したものです。
時期ごとの金額
| 期間(月分) | 遺族基礎 | 遺族厚生 | 寡婦加算 | 月額 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年11月〜2039年3月(子1人) | ¥1,091,100 | ¥493,290 | — | ¥132,033 |
| 2039年4月〜2056年6月 | — | ¥493,290 | ¥635,500 | ¥94,066 |
基礎・厚生・寡婦加算の欄は年額です。月額は年額の合計÷12で、実際は1円未満の端数などで変わります。子が18歳に達した日以後の最初の3月31日が過ぎると、その翌月分から遺族基礎年金(子の加算も)はなくなります。
妻が65歳になったあと
65歳からは、中高齢寡婦加算がなくなり、妻自身の老齢基礎年金に切り替わります(その額はこのツールの計算に入れていません。ねんきん定期便で確かめてください)。
概算のシミュレーションです。令和8年度の金額(日本年金機構)と、国民年金法・厚生年金保険法の現行の条文で計算します。亡くなった方の保険料の納付要件、遺族の範囲と生計維持(年収850万円未満)、請求の手続き、年金の支給停止(労災の遺族補償など)、遺族年金の寡婦年金・死亡一時金、共済年金(公務員だった方)、再婚などで受給権がなくなる場合は見ていません。金額は法律の改正や毎年度の改定で変わります。税務・社会保険労務の専門的助言ではありません。
計算の流れ
- 遺族基礎年金は、子のある配偶者に、¥847,300(令和8年度)に子の加算がつきます。子の加算は、1人目・2人目が各¥243,800、3人目以降が各¥81,300です(国民年金法第38条・第39条、日本年金機構)。子が18歳に達した日以後の最初の3月31日が過ぎると、その子の分はなくなります。
- 遺族厚生年金は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分(平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数)の3/4です(厚生年金保険法第43条・第60条)。在職中などに亡くなったときは、加入月数が300か月に満たなければ300か月として計算します。
- 妻には、子がいない(または子が18歳の年度末を過ぎた)間、40歳から65歳になるまで、中高齢寡婦加算(¥635,500=遺族基礎年金の3/4)がつきます。夫が亡くなったとき妻が40歳以上だった場合と、40歳に達したとき子と生計を同じくしていた場合が対象です(第62条)。
- 65歳から、遺族厚生年金は、3/4の額と「3/4の額の2/3+自分の老齢厚生年金の1/2」のうち多いほうになり、そのうち自分の老齢厚生年金に相当する額は支給停止になります(第60条・第64条の2)。
- 30歳未満で子のない妻の遺族厚生年金は5年で終わります。夫は、亡くなった当時55歳以上で、60歳から(遺族基礎年金を受けている間は60歳前でも)受け取れます。
例: 会社員の夫(平均標準報酬額40万円)が在職中に亡くなったとき
令和8年10月に亡くなり、妻(35歳)と子1人(2020年4月2日生まれ)が残った場合です。遺族厚生年金は年¥493,290(月に約¥41,108)。
| 時期(月分) | 年額 | 月額 |
|---|---|---|
| 2026年11月〜2039年3月(子あり) | ¥1,584,390 | ¥132,033 |
| 2039年4月〜2056年6月(子が18歳の年度末を過ぎた) | ¥1,128,790 | ¥94,066 |
子がいる間は年158.4万円、子が高校を卒業する年度末を過ぎると年112.9万円に下がります(遺族基礎年金と子の加算がなくなり、中高齢寡婦加算がつくため)。65歳になるまでの総額は約3,914.4万円です。
平均標準報酬額は、ねんきん定期便の全期間の額です。平成15年3月以前の期間がある人は、乗率(7.125/1000、賞与を含まない月額)が違うため、実際の額は少し違うことがあります。
令和10年4月から変わること(このツールは現行の決まりで計算しています)
令和7年の年金制度改正法で、遺族厚生年金の男女差がなくなります。厚生労働省の説明では、18歳年度末までの子がいない配偶者のうち、亡くなった当時60歳未満の人は、原則5年間の有期給付になり、その5年間は有期給付加算がつくため、額は現在の約1.3倍になります。5年が過ぎたあとも、障害のある人や収入が十分でない人は継続給付を受けられます。収入の目安は、単身で就労収入が月約10万円(年122万円。2025年度の税制改正を反映すると132万円の見込み)以下なら全額です。
影響を受けないのは、すでに遺族厚生年金を受けている人、60歳以降に受給権が生じる人、18歳年度末までの子を養育している間、令和10年度に40歳以上になる女性です。女性は令和10年4月から20年かけて段階的に実施されます。子の加算は、遺族基礎年金で年約23.5万円から約28万円に増えます(国民年金法第39条の令和10年4月1日施行の版は、子1人につき269,600円×改定率で、3人目以降の減額がなくなります)。中高齢寡婦加算の見直しは、厚生労働省の資料に別の説明がありますが、このページでは条文を確かめていません。
令和10年4月1日以後に亡くなった場合の計算(有期給付加算、継続給付の収入による調整、段階的な移行の細かい決まり)は、このツールには入っていません。継続給付の収入の基準は政令で決まります。
よくある質問
Q.遺族年金は、いくらもらえますか?
子のある配偶者なら、遺族基礎年金(令和8年度は¥847,300に子の加算)に、遺族厚生年金(亡くなった方の報酬比例の3/4)が加わります。子がいなければ遺族基礎年金は出ず、遺族厚生年金だけで、妻には40歳から65歳まで中高齢寡婦加算(¥635,500)がつきます。
上の例(平均標準報酬額40万円、妻35歳、子1人)では、子がいる間は年158.4万円、子が18歳の年度末を過ぎると年112.9万円です。会社員の夫が亡くなって妻が40歳以上で子がいない場合も、年112.9万円です。
Q.平均標準報酬額は、どこで分かりますか?
「ねんきん定期便」「ねんきんネット」の、厚生年金の「平均標準報酬額」(全期間、賞与を含む)です。亡くなった方の定期便が手元にないときは、賞与を含む年収を12で割った額を目安にしてください。実際の額は、過去の給与を再評価率で現在の価値にしたもので、年収÷12とは少し違います。
Q.子の加算は、何人目まで、いくらですか?
1人目・2人目が各¥243,800、3人目以降が各¥81,300です(令和8年度。国民年金法第39条)。子は、18歳に達した日以後の最初の3月31日までの子(障害の状態にある子は20歳未満)です。4月1日生まれの子は、18歳に達する日が3月31日なので、その年の3月で終わります。
Q.中高齢寡婦加算はいつまで、誰がもらえますか?
妻だけが対象で、40歳から65歳になるまでです(¥635,500。令和8年度)。遺族基礎年金を受けている間は、加算は止まります。夫が亡くなったとき妻が40歳以上だった場合のほか、40歳未満でも、40歳に達したとき遺族基礎年金の対象の子と生計を同じくしていた妻は、子が18歳の年度末を過ぎたあとに加算がつきます。亡くなった方が老齢厚生年金を受けていた場合などは、厚生年金の加入期間が20年以上必要です。
Q.65歳になったら、遺族年金はどうなりますか?
中高齢寡婦加算はなくなり、自分の老齢基礎年金に切り替わります。遺族厚生年金は、3/4の額と「3/4の額の2/3+自分の老齢厚生年金の1/2」のうち多いほうに決まり、そのうち自分の老齢厚生年金に相当する額は支給停止です。日本年金機構の例では、3/4の額が60万円、本人の老齢厚生年金が50万円なら、65万円(40万円+25万円)に決まり、50万円が停止されて、遺族厚生年金として出るのは15万円です(上のツールで本人の老齢厚生年金の欄に入れると確かめられます)。
Q.夫が亡くなったときは、妻と同じ額ですか?
違います。夫は、亡くなった当時55歳以上でないと遺族厚生年金を受け取れず、受け取れるのも60歳からです(遺族基礎年金を受けている間は60歳前でも)。中高齢寡婦加算もありません。子がいれば、遺族基礎年金(子の加算つき)は夫にも出ます。令和10年4月から、この男女の差はなくなります(上の説明)。
Q.亡くなった方が年金を受けていたときは?
ツールで「老齢厚生年金を受けていた」を選び、年金証書などの老齢厚生年金の報酬比例部分(年額)を入れてください。その3/4が遺族厚生年金になります。この場合は300か月のみなしがなく、生年月日によって乗率が変わるため、月数からは計算していません。
Q.このツールに入っていないものは?
保険料の納付要件(死亡日の前日までの被保険者期間の3分の2以上の納付など)、生計維持(年収850万円未満が原則)、遺族の範囲の細かい決まり、子のない妻の遺族基礎年金の対象外、国民年金だけの人の寡婦年金・死亡一時金、共済年金の期間がある人、労災の遺族補償による支給停止、再婚などで受給権がなくなる場合、昭和31年4月1日以前生まれの方の経過的寡婦加算、障害のある子、遺族年金生活者支援給付金、老齢基礎年金の額、令和10年4月1日以後の死亡の計算です。請求は年金事務所などで行い、支給の可否と額は日本年金機構が決めます。
自分の年金は年金の繰上げ・繰下げのシミュレーション、働きながらの年金は在職老齢年金の計算、お子さんの手当は児童手当の総額シミュレーションで計算できます。
出典
- 日本年金機構 — 遺族年金ガイド 令和8年度版(PDF。遺族基礎年金847,300円・子の加算243,800円/81,300円・中高齢寡婦加算635,500円、報酬比例の3/4と300月みなし、65歳以上の計算の例、30歳未満の妻の5年、失権)
- e-Gov法令検索 — 厚生年金保険法(第43条 年金額、第60条 遺族厚生年金の額、第62条 中高齢寡婦加算、第63条 失権、第64条の2 65歳以上の支給停止、第35条 端数処理。現行の版と、令和7年法律第74号による令和10年4月1日施行の版を読んだ)
- e-Gov法令検索 — 国民年金法(第38条 遺族基礎年金の額、第39条 子の加算、第40条 失権。令和10年4月1日施行の版の子の加算も読んだ)
- 厚生労働省 — 遺族厚生年金の見直しについて(令和10年4月施行。60歳未満の配偶者は原則5年の有期給付、有期給付加算で約1.3倍、継続給付、子の加算の増額)