医療費控除・セルフメディケーション税制 還付金シミュレーション(令和8年分)
年収と医療費から、医療費控除でいくら戻る(税金が減る)かを無料で計算。所得税の還付と住民税の軽減を分けて表示し、通常の医療費控除とセルフメディケーション税制のどちらが有利かも比べられます。令和8年分に対応。
医療費控除で減る税金の目安(所得税+住民税)
¥30,210
通常の医療費控除の方が有利です(控除額 ¥200,000)。
所得税は還付金として戻ります。住民税は現金では戻らず、令和9年度(2027年6月から)の住民税が減ります。
通常の医療費控除とセルフメディケーション税制の比較
| 通常の医療費控除 | セルフメディケーション税制 | |
|---|---|---|
| 対象の支払額 | ¥300,000 | ¥30,000 |
| 足切り額 | ¥100,000 | ¥12,000 |
| 控除額 | ¥200,000 | ¥18,000 |
| 所得税の還付 | ¥10,210 | ¥919 |
| 住民税の軽減 | ¥20,000 | ¥1,800 |
| 合計 | ¥30,210 | ¥2,719 |
どちらか一方しか選べず、確定申告をしたあとは、更正の請求や修正申告でも選び直せません(国税庁 No.1131)。
この結果の見方
- 総所得金額等(給与所得)は¥3,560,000です。足切り額は、これの5%と10万円の低い方で¥100,000になります。
- 医療費控除を受ける前の課税所得は¥1,784,000で、所得税の税率は5%です(復興特別所得税を含めると5.105%)。
概算のシミュレーションです。給与所得のみの会社員が、年末調整を済ませたうえで医療費控除(またはセルフメディケーション税制)だけを確定申告で追加する場合の、令和8年分の目安を計算します。社会保険料は料率による概算で、調整控除(最大2,500円)・医療費控除以外の申告(寄附金控除など)・副業の所得は扱いません。住民税は課税所得や自治体で変わるため、範囲で示す場合があります。実際の税額・還付額は確定申告書等作成コーナーや税務署・税理士にご確認ください。税務・法律・会計の専門的助言ではありません。
計算の流れ
- 支払った医療費の合計から、保険金・高額療養費などで補てんされる金額を引きます。
- そこから足切り額を引いた残りが、医療費控除の額です(最高200万円)。足切り額は、総所得金額等(給与のみなら給与所得)の5%と10万円のうち低い方です。
- 控除額の分だけ課税所得が減ります。減る前と後の所得税(復興特別所得税を含む)を、速算表で実際に計算し、その差が所得税の還付額の目安です。
- 住民税は、控除額の10%(課税所得の千円未満は切り捨て)が、翌年度の住民税から減ります。
- セルフメディケーション税制は、対象の医薬品の購入額から1万2,000円を引いた額(最高8万8,000円)が控除額です。通常の医療費控除とは選択制で、控除額の大きい方が有利です。
具体例:医療費が30万円かかった独身の会社員(令和8年分)
補てんなし・年齢35歳・扶養家族なし・給与のみの場合を、このツールの計算で求めました。足切り額は10万円なので、控除額はどの年収でも¥200,000です。
| 年収 | 所得税の税率 | 所得税の還付 | 住民税の軽減 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| ¥4,000,000 | 5% | ¥10,210 | ¥20,000 | ¥30,210 |
| ¥7,000,000 | 20% | ¥40,738 | ¥20,000 | ¥60,738 |
| ¥12,000,000 | 23% | ¥46,966 | ¥20,000 | ¥66,966 |
年収が高いほど所得税の税率が高く、還付は大きくなります。一方、住民税の軽減はどの年収でも同じ¥20,000(控除額の10%)です。年収¥4,000,000の人は所得税の税率が5%の区分にいるため、住民税の方が所得税の還付より大きくなります。ただし、住民税は現金で戻らず、翌年度の住民税が減る形です。
セルフメディケーション税制が有利になる例もあります。年収¥5,000,000の独身で、病院代などの医療費が8万円(足切りの10万円に届きません)、対象の市販薬の購入が5万円だった場合、通常の医療費控除は0円ですが、セルフメディケーション税制なら¥38,000が控除され、所得税が¥1,940還付され、住民税が¥3,800軽減されます。
よくある質問
Q.医療費控除で、いくら戻りますか?
医療費控除は、1年間に払った医療費のうち、足切り額(10万円、または総所得金額等の5%のいずれか低い方)を超えた分(最高200万円)を、所得から差し引く制度です(国税庁 No.1120)。戻るのは、その超えた分の全額ではなく、差し引いた分に対する税金です。
所得税は確定申告で還付され、住民税は翌年度の住民税が減ります。上のツールは、控除の前後の税額を実際に計算して差を求めるので、控除で所得税の税率の区分が下がる場合も、簡易計算(控除額×税率)より正確です。
Q.医療費が10万円に届かないと、何も受けられませんか?
通常の医療費控除は、足切り額を超えないと控除額が0円です。総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく総所得金額等の5%が足切り額になります(国税庁 No.1120)。
10万円に届かなくても、対象の市販薬(スイッチOTC医薬品など)の購入額が1万2,000円を超えていれば、セルフメディケーション税制を選べる場合があります。健康診断や予防接種などの「一定の取組」を、申告する本人が行っていることが条件です(国税庁 No.1129)。
Q.どんな医療費が対象になりますか?
医師・歯科医師による診療・治療の費用、治療や療養に必要な医薬品の購入費、通院のための公共交通機関の費用などが対象です。風邪をひいたときの風邪薬は医療費になりますが、ビタミン剤など病気の予防や健康増進のための医薬品は医療費になりません(国税庁 No.1122)。
電車やバスなどの公共交通機関が利用できない場合を除き、タクシー代は対象に含まれません。自家用車で通院するときのガソリン代や駐車場代も対象外です(国税庁 No.1122)。細かい区分は、国税庁のページで確認してください。
Q.家族の医療費も合算できますか?夫婦のどちらが申告しますか?
自分と、生計を一にする配偶者やその他の親族のために、納税者が支払った医療費を合計できます(国税庁 No.1120)。医療費を実際に支払った人が、自分の確定申告で控除を受けます。
足切り額は申告する人ごとの総所得金額等で決まり、所得税の税率も人によって違います。夫婦で年収が違う場合は、このツールでそれぞれの年収を入れて、戻る額を比べてみてください。
Q.保険金や高額療養費をもらったときは、どう計算しますか?
入院給付金などの保険金、高額療養費、家族療養費、出産育児一時金などで補てんされる金額は、医療費から差し引きます。ただし、補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費を限度として差し引き、引ききれない分があっても、ほかの医療費からは差し引きません(国税庁 No.1120)。
このツールは、補てんの合計を支払った医療費の合計までで頭打ちにします。医療費ごとの内訳までは扱わないため、ある医療費に対して補てんが上回っている場合は、実際の控除額がこのツールの結果より大きくなることがあります。
Q.通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は、どちらを選べばいいですか?
どちらか一方しか選べず、併用できません。セルフメディケーション税制を選ぶと、対象の市販薬以外の医療費が10万円を超えていても、通常の医療費控除は受けられません。また、確定申告をしたあとは、更正の請求や修正申告でも選び直せません(国税庁 No.1131)。
税金が減る額は、控除額が大きいほど大きくなるので、控除額の大きい方が有利です。このツールの比較表は、両方の控除額と税額を並べています。病院代が多い年は通常の医療費控除、病院代は少なく対象の市販薬が多い年はセルフメディケーション税制、というのが目安です。
Q.令和9年分から、セルフメディケーション税制は変わりますか?
令和8年度の税制改正で、令和9年(2027年)分から対象が広がります。スイッチOTC医薬品の適用期限はなくなり、それ以外の医薬品は令和13年12月31日までとなります。消化器官用薬、生薬のみからなる鎮咳去痰薬、OTC検査薬、薬局製造販売医薬品などが対象に加わり、痩身や美容が目的になりうる医薬品は除かれます(厚生労働省の資料と、租税特別措置法第41条の17の改正後の条文で確認)。
足切りの1万2,000円と上限の8万8,000円は変わりません。このツールは令和8年分(2026年に買った医薬品)で、具体的な対象品目は、レシートの表示や厚生労働省の対象品目一覧で確認してください。
Q.年末調整で医療費控除は受けられますか?いつまでに申告しますか?
医療費控除は、医療費控除の明細書などを添えた確定申告書を、所轄の税務署に提出して受けます(国税庁 No.1120)。給与所得者で年末調整を受けている人も、医療費控除だけの確定申告(還付申告)ができます。
還付申告は、確定申告の期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出できます(国税庁 No.2030)。医療費の領収書は、確定申告の期限等から5年を経過する日まで、税務署から提示や提出を求められる場合があります(国税庁 No.1120)。
Q.ふるさと納税をしている場合は、どうなりますか?
ワンストップ特例は、確定申告が不要な給与所得者が対象です。医療費控除のために確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は無効になるため、申請した分も含めて、ふるさと納税の寄附金控除を確定申告書に記載する必要があります(東京国税局)。
ふるさと納税の控除上限額は、ふるさと納税 控除上限額シミュレーションで計算できます。
Q.このツールの前提と、計算していないものは?
令和8年分の給与所得者が、年末調整を済ませたうえで、医療費控除(またはセルフメディケーション税制)だけを確定申告で追加する場合を計算します。医療費控除以外の所得控除・住宅ローン控除は年末調整のとおりとし、税率は所得税の速算表と復興特別所得税2.1%を使っています。
社会保険料は料率による概算、調整控除(最大2,500円)は計算していません。住民税は、家族構成などで課税所得が変わるため、範囲で示す場合があります。寄附金控除・雑損控除・副業の所得・事業所得は扱いません。年収と控除は、源泉徴収票の数字を入れる方法のほうが正確です。
税制は毎年変わります。ご自身の申告は、国税庁の確定申告書等作成コーナーの計算結果を確認してください。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1120 — 医療費を支払ったとき(医療費控除)
- 国税庁 タックスアンサー No.1122 — 医療費控除の対象となる医療費
- 国税庁 タックスアンサー No.1129 — 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(セルフメディケーション税制)
- 国税庁 タックスアンサー No.1131 — セルフメディケーション税制と通常の医療費控除との選択適用
- 国税庁 タックスアンサー No.2030 — 還付申告(翌年1月1日から5年間提出できる)
- 国税庁 タックスアンサー No.2260 — 所得税の税率(速算表)
- 東京国税局 — 「ふるさと納税ワンストップ特例」の申請書を提出された方(確定申告をするとワンストップ特例の申請は無効になる)
- e-Gov法令検索 — 所得税法 第73条(医療費控除)
- e-Gov法令検索 — 租税特別措置法 第41条の17(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)
- e-Gov法令検索 — 地方税法 第314条の2(住民税の医療費控除)・附則第3条の3(所得割の非課税の範囲)・附則第4条の5(住民税のセルフメディケーション税制)
- 厚生労働省 — 令和8年度税制改正の概要(セルフメディケーション税制の拡充: 令和9年以降の所得から適用)