ポイ活で貯めたポイントに税金がかかるかどうかは、「どこから、何の対価として付いたポイントか」で決まります。国税庁は、買い物の決済代金に応じて、その企業から付与されるポイントを、値引きと同じ扱いにして、課税の対象にしていません。一方、抽選の当選や共通ポイントの運営企業から付与されたポイントは、使った年の一時所得などになります。アンケートに答えて付くポイントは、国税庁の公式ページには書かれておらず、税務大学校の論叢(研究者の見解)が雑所得としています。
ポイントの出どころ別:税金の扱い(国税庁の公式ページ)
- 買い物の決済代金に応じて、その企業から付与されるポイント(ドラッグストアのポイントなど):通常の商取引の値引きと同様と考えられ、取得も使用も課税の対象になりません。確定申告も不要です(No.1907)。
- ポイントを発行する企業の、ポイント付与の抽選キャンペーンに当選するなどして、臨時・偶発的に得たポイント:使ったポイント相当額を、使用の目的に応じて、使った日の属する年分の一時所得や事業所得などの総収入金額に入れます(No.1907の注)。
- 共通ポイント制度で、その制度を運営する企業から付与されたポイントを使った場合:同じく値引きとは考えられず、使った年分の一時所得などの総収入金額に入れます(No.1907の注)。
- マイナポイント(マイナンバーカードの新規取得、健康保険証としての利用申込み、公金受取口座の登録で付与されるもの):値引きとは認められず、一時所得として課税の対象です(No.1490のQ&A)。
- アンケートやモニターの回答に付くポイント:税務大学校の論叢(上田正勝、論叢78号)は、役務提供の対価なので雑所得になると整理しています。ただし、この論叢は研究者個人の見解で、国税庁の公式な取扱いではありません。
- ポイントサイトの案件(会員登録、カード発行などの成果で付くポイント):国税庁の上のページに、個別の記載は見つかりませんでした。所得の区分は、取引の内容で変わります。
いつの所得になり、金額はどう決まるか
国税庁は、ポイントを使った日の属する年分で考えます(No.1907)。貯めただけでは、所得に入りません。金額の計算は、次のとおりです。
- 雑所得:収入から、その収入を得るためにかかった必要経費を引いた額。給与所得と合計して、税額を計算します。
- 一時所得:収入から、収入を得るために支出した額と、特別控除(最高50万円)を引き、その2分の1を、給与所得などと合計します(No.1490)。
確定申告が要る線:20万円、90万円、2,000万円
給与を1か所から受けていて、その全部が源泉徴収の対象の会社員は、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超えると、確定申告が必要です(No.1900)。給与の収入金額が2,000万円を超える人は、所得の大きさに関係なく必要です。
一時所得だけの場合、50万円の特別控除を引いて2分の1にした額が20万円になるのは、収入が90万円のときです。国税庁のQ&Aも、この90万円を超えなければ申告は不要としています(No.1490のQ&A)。雑所得は、収入から経費を引いた所得金額で20万円です。ポイ活は、経費がほとんどかからないことが多く、その場合は収入がそのまま所得になります。
この「20万円」は所得税の話です。住民税には、申告を省ける範囲がありません。名古屋市は、給与所得者で給与以外の所得が20万円以下でも、市民税・県民税の申告が必要としています(所得税の確定申告をすれば、住民税の申告は不要)。申告の窓口と時期は、お住まいの市区町村で確認してください。医療費控除やふるさと納税のために確定申告をする人は、申告書を作る側に回ります。国税庁の手引きは、申告をする場合には年末調整を受けた給与所得も含めて申告するとしています。副業の雑所得をその申告書に入れる必要があるかは、税務署に確認してください。
増える税金:年収別(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)
給与のみの人(35歳・扶養なし)が、雑所得(経費0円)を足したときに増える税金の目安です。雑所得10万円の列のように20万円以下なら、所得税は申告しなくてよい範囲で、実際に払うのは住民税の所得割(収入の10%、10,000円)が中心になります。
| 年収 | 雑所得10万円 | 雑所得30万円 | 雑所得100万円 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 15,105円 | 45,315円 | 151,050円 |
| 500万円 | 15,105円 | 52,155円 | 193,625円 |
| 600万円 | 20,210円 | 60,630円 | 291,641円 |
| 800万円 | 30,420円 | 91,260円 | 314,410円 |
| 1,000万円 | 30,420円 | 91,260円 | 310,601円 |
一時所得(抽選の当選など)は、50万円まで特別控除で課税されません。
| 年収 | 一時所得50万円 | 一時所得90万円 | 一時所得100万円 | 一時所得200万円 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 0円 | 30,210円 | 37,763円 | 113,288円 |
| 500万円 | 0円 | 31,945円 | 42,050円 | 143,100円 |
| 600万円 | 0円 | 40,420円 | 50,525円 | 215,591円 |
| 800万円 | 0円 | 60,840円 | 76,050円 | 238,360円 |
| 1,000万円 | 0円 | 60,840円 | 76,050円 | 228,150円 |
90万円の列は、所得税の確定申告が不要な範囲です。所得税の分は申告しなくてよく、市区町村への申告で住民税の分(所得金額の10%)が課税されます。100万円からは、所得税の確定申告が必要です。表の数字は、このサイトの手取り計算と同じ前提(令和8年分、社会保険料は給与から、その他の控除なし)の目安です。
「合計所得489万円」の線をまたぐと、税金が一気に増える
令和8・9年分の所得税の基礎控除は、合計所得金額が489万円以下なら104万円、655万円以下なら67万円です(租税特別措置法41条の16の2)。年収630万円の人の給与所得は460万円なので、雑所得が29万円までなら合計所得は489万円以内ですが、30万円では超えます。
| 年収630万円の人 | 雑所得29万円 | 雑所得30万円 |
|---|---|---|
| 所得税+復興特別所得税 | 29,609円 | 68,611円 |
| 住民税の所得割 | 29,000円 | 30,000円 |
| 合計 | 58,609円 | 98,611円 |
雑所得が1万円増えるだけで、税金が40,002円増えます。所得税の基礎控除が37万円下がり、その分にも5%と10%の税率がかかるためです。年収600万円の人なら、同じ30万円を足しても489万円を超えず、増える税金は60,630円(約20.2%)です。住民税の基礎控除は43万円のままで、この線では変わりません。年収の近くにこの線(489万円、655万円)がある人は、所得が数万円動くだけで税額が大きく変わります。
ポイントを医療費や株の購入に使ったとき
医薬品の購入の決済代金に、ポイントを使って値引きを受けた場合など、所得控除の対象になる支出にポイントを使ったことが明らかなときは、国税庁は次の2つのどちらかを選ぶとしています(No.1907の参考)。ポイント使用後の支払金額をもとに、所得控除額を計算する方法と、ポイント使用前の支払金額をもとに所得控除額を計算し、ポイント使用相当額を一時所得の総収入金額に入れる方法です。
証券会社で、共通ポイント制度の運営企業から付与されたポイントを使って株式などを買った場合は、取得価額をポイント使用前の支払金額(ポイント使用相当額を含む金額)をもとに計算し、ポイント使用相当額を一時所得の総収入金額に入れます(No.1907の注)。
このページで確かめていないこと
- ポイントサイトの案件の所得区分(国税庁の公式ページに個別の記載を読めていません)。継続的に多額の収入がある場合は、事業所得や業務に係る雑所得になることもあり、この表の対象外です。
- アンケートポイントが雑所得になるという整理は、論叢(研究者の見解)にもとづく読み方です。個別の判断は、税務署に確認してください。
- 扶養・各種控除・ふるさと納税・住民税の調整控除・社会保険(国民健康保険、配偶者の扶養の判定)への影響は入れていません。配偶者や親の扶養に入っている人は、所得が増えると、扶養の判定に影響することがあります。
- 区分の違うポイントが同じポイント制度に混ざっているとき、どのポイントから先に使ったとみなすか。国税庁の公式ページには書かれていません。税務大学校の論叢も、使ったポイントの特定が難しい場合が多いことを課題として挙げています。
ポイントの有効期限は、ポイントの有効期限の比較、ポイ活の時給の目安は、ポイ活の時給のガイドにまとめています。
この記事は、令和8年4月1日現在の国税庁のページ(2026年10月11日に確認)にもとづく一般的な情報で、個別の税務判断ではありません。具体的な申告は、税務署や税理士にご相談ください。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1907「個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い」(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁 タックスアンサー No.1490「一時所得」と Q&A(マイナポイントの課税関係・申告が不要な範囲)
- 国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」
- 国税庁 タックスアンサー No.1300「所得の区分のあらまし」(雑所得・一時所得)
- 国税庁 確定申告の手引き 令和7年分「確定申告が必要な方」(確定申告をする場合は給与所得も含めて申告・住民税は市区町村へ)
- 税務大学校 論叢78号 上田正勝「企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について」(研究者個人の見解で、国税庁の公式な取扱いではありません)
- e-Gov法令検索 租税特別措置法 41条の16の2(令和8・9年分の基礎控除の上乗せ。合計所得489万円以下は42万円、655万円以下は5万円)
- 名古屋市「給与所得者で副収入がある場合、市民税・県民税の申告は?」(所得税の申告不要の範囲は住民税にはなく、所得税の確定申告をすれば住民税の申告は不要)