「自分の年収は、同じ年代の平均より高いのか」は、よく気になる点です。国税庁の「民間給与実態統計調査」(令和6年分)は、年齢階層別と勤続年数別の平均給与を、男女別に公表しています。この記事では、その表から、5歳ごと・年代ごとの平均給与を計算し直し、男女差や勤続年数との関係を整理します。表の数字はすべて、国税庁の給与総額を人数で割って求めた平均給与です。
この統計の数字が表すもの
- 民間の事業所に勤める給与所得者のうち、1年を通じて勤務した人(令和6年分は約5,137万人)が対象です。公務員、自営業の本人、年の途中で入社・退職した人は含みません。パート・アルバイトなどの正社員以外と、役員は含みます。
- 給与は、1年間に支払われた給料・手当・賞与の合計(額面)です。所得税や社会保険料を引く前の金額で、通勤手当などの非課税分は含みません。
- 年齢は、令和6年12月31日現在で数えています(国税庁の用語の説明)。抽出した事業所への調査から全体を推計する標本調査なので、数字は推計値です。
5歳ごとの平均給与
| 年齢 | 人数(男女計) | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|---|
| 19歳以下 | 25.5万人 | 118万円 | 144万円 | 96万円 |
| 20〜24歳 | 253.4万人 | 277万円 | 295万円 | 258万円 |
| 25〜29歳 | 399.2万人 | 407万円 | 438万円 | 370万円 |
| 30〜34歳 | 429.4万人 | 449万円 | 512万円 | 361万円 |
| 35〜39歳 | 467.3万人 | 482万円 | 574万円 | 351万円 |
| 40〜44歳 | 555.3万人 | 516万円 | 630万円 | 359万円 |
| 45〜49歳 | 666.5万人 | 540万円 | 663万円 | 369万円 |
| 50〜54歳 | 728.7万人 | 559万円 | 709万円 | 363万円 |
| 55〜59歳 | 605.0万人 | 572万円 | 735万円 | 356万円 |
| 60〜64歳 | 447.5万人 | 473万円 | 604万円 | 294万円 |
| 65〜69歳 | 266.8万人 | 370万円 | 472万円 | 240万円 |
| 70歳以上 | 292.1万人 | 305万円 | 380万円 | 209万円 |
男性の平均給与は、60歳未満まで年齢が高くなるほど高くなり、55〜59歳の735万円が最高です。その後は下がり、60〜64歳で604万円、65〜69歳で472万円になります。女性は、25〜59歳のどの階層でも351万円から370万円の範囲にあり、年齢による差があまり大きくありません。この傾向は、国税庁の報告書にも書かれています。
60歳を過ぎると平均給与が下がる理由は、この統計からはわかりません。年齢だけの表なので、定年後の働き方の変化など、原因を確かめることはできません。
20代〜60代の平均給与
「30代の平均年収」のような年代別の数字は、5歳ごとの人数と給与総額を足し合わせてから割って、求めました(5歳ごとの平均を単純に平均したものではありません)。
| 年代 | 男女計 | 男性 | 女性 | 男女差 |
|---|---|---|---|---|
| 20代 | 356万円 | 384万円 | 325万円 | 59万円 |
| 30代 | 466万円 | 544万円 | 356万円 | 188万円 |
| 40代 | 529万円 | 648万円 | 364万円 | 283万円 |
| 50代 | 565万円 | 720万円 | 360万円 | 360万円 |
| 60代 | 435万円 | 556万円 | 273万円 | 283万円 |
男女差は、年齢とともに開く
男性と女性の平均給与の差は、25〜29歳で約67万円ですが、55〜59歳では約378万円に開きます。男性が年齢とともに上がるのに対して、女性はほぼ横ばいだからです。
この差を考える手がかりとして、雇用の形の違いがあります。1年を通じて勤務した給与所得者のうち、正社員(正職員)の人数の割合は、男性で約75%、女性で約55%です。残りは、パート・アルバイトなどの正社員以外と、役員です。平均給与は、正社員が545万円、正社員以外が206万円と、大きく違います(国税庁の報告書)。
勤続年数別の平均給与
| 勤続年数 | 人数(男女計) | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|---|
| 1〜4年 | 1,536.2万人 | 348万円 | 423万円 | 273万円 |
| 5〜9年 | 1,107.3万人 | 417万円 | 513万円 | 315万円 |
| 10〜14年 | 709.3万人 | 470万円 | 573万円 | 342万円 |
| 15〜19年 | 566.5万人 | 552万円 | 661万円 | 388万円 |
| 20〜24年 | 392.4万人 | 611万円 | 719万円 | 419万円 |
| 25〜29年 | 277.3万人 | 688万円 | 784万円 | 468万円 |
| 30〜34年 | 259.9万人 | 751万円 | 831万円 | 509万円 |
| 35年以上 | 287.7万人 | 643万円 | 714万円 | 425万円 |
勤続年数が長いほど平均給与が高い傾向は、男性も女性も、勤続30〜34年まで続き、その階層で男性は831万円、女性は509万円と最高になります。35年以上では、どちらも下がります。国税庁は、勤続年数を令和6年12月31日現在で、1年未満の端数を切り捨てて数えています(平均勤続年数の定義)。
平均を、自分の年収と比べるときの注意
- 平均は、真ん中の人の年収(中央値)ではありません。年収の高い人が少数いて、平均を押し上げます。全体では、平均が478万円、階級別の人数から推定した中央値は約412万円です。年齢別の中央値は、国税庁の統計にないので、この記事では出せません。
- 年齢別の給与階級の分布も、統計表にありません。そのため、「同じ年代の中で上位何%か」は計算できません。全体の中での順位は、年収偏差値・上位何%の計算で調べられます。
- この平均は、額面の年収です。手取りで比べるときは、手取り計算シミュレーションで、額面から手取りを計算できます。
- 業種、事業所の規模、地域、勤務時間などによって、年収は大きく違います。平均は、それらをすべてまとめた数字です。同じ年代の平均より低くても高くても、それだけで良し悪しはわかりません。
データは、国税庁「民間給与実態統計調査」令和6年分(1年を通じて勤務した給与所得者)です。この調査は毎年9月に公表されており、令和7年分が公表された時点で、この記事の数字を更新します(最終確認:2026年9月21日)。