業種別の平均年収ランキング(令和7年分):最高と最低で約3.1倍、男女の構成をそろえると順位はどう変わるか

国税庁の令和7年分の統計で、業種別の平均給与は電気・ガス・熱供給・水道業の854万円が最高、宿泊業,飲食サービス業の276万円が最低で、約3.1倍の差があります。男女の人数の割合をそろえると順位がどう変わるかと、事業所の規模別の平均も、表から計算しました。

公開日 2026年10月1日

出典の確認・検証・訂正について

「自分の業種は、平均よりどのくらい高いのか、低いのか」を知りたいときに使える公的な統計が、国税庁の「民間給与実態統計調査」(令和7年分)です。業種別と事業所の規模別の表が公表されています。この記事では、その表から平均給与を計算し直し、最高と最低の業種の差、男女の人数の割合をそろえたときの順位の変化、事業所の規模による違いを整理します。

この統計の数字が表すもの

  • 民間の事業所に勤める給与所得者のうち、1年を通じて勤務した人が対象です。公務員、自営業の本人、年の途中で入社・退職した人は含みません。パート・アルバイトなどの正社員以外と、役員は含みます。
  • 給与は、1年間に支払われた給料・手当・賞与の合計(額面)です。所得税や社会保険料を引く前の金額で、通勤手当などの非課税分は含みません。平均給与は、給与の総額を人数で割った値です。
  • 業種は、日本標準産業分類にもとづく14の分類です。事業の種類の分類で、営業や技術などの仕事の内容(職種)の分類ではありません。
  • 抽出した事業所への調査から全体を推計する標本調査なので、数字は推計値です。複数の会社から給与をもらっている人は、会社ごとに別の人として数えられます。

業種別の平均給与ランキング

業種人数平均給与男性女性女性の割合800万円超の割合
電気・ガス・熱供給・水道業18万人854万円888万円690万円16.9%47.2%
金融業,保険業130万人726万円907万円527万円47.8%31.7%
情報通信業226万人682万円752万円520万円30.3%27.9%
建設業411万人590万円646万円374万円20.6%18.9%
製造業926万人573万円655万円372万円28.9%18.8%
学術研究,専門・技術サービス業,教育,学習支援業264万人568万円699万円424万円47.5%19.7%
不動産業,物品賃貸業128万人512万円633万円360万円44.1%15.4%
複合サービス事業107万人509万円592万円369万円37.2%11.4%
運輸業,郵便業306万人482万円521万円333万円20.7%8.5%
医療,福祉750万人424万円571万円369万円72.6%5.3%
卸売業,小売業819万人413万円548万円274万円49.1%8.7%
サービス業783万人402万円486万円301万円45.5%7.0%
農林水産・鉱業49万人394万円454万円308万円41.5%6.7%
宿泊業,飲食サービス業247万人276万円369万円198万円54.6%2.8%

平均給与が最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業の854万円、次いで金融業,保険業の726万円です。最も低い宿泊業,飲食サービス業は276万円で、最高の業種の約3.1倍の差があります。これは、国税庁の報告書に書かれている最高・次点・最低と同じです。

分布を見ても違いは大きく、年収が800万円を超える人の割合は、電気・ガス・熱供給・水道業で47.2%、宿泊業,飲食サービス業で2.8%です。宿泊業,飲食サービス業では、年収100万円以下の人が27.9%います。なぜ低いのか(短時間で働く人が多いのか、賃金水準が低いのか)は、この統計の表からはわかりません。

男女の人数の割合をそろえると、順位はどう変わるか

業種ごとに、男性と女性の人数の割合は大きく違います。女性の割合は、医療,福祉で72.6%、電気・ガス・熱供給・水道業では16.9%です(全体では43.2%)。男性より女性の平均給与が低いので(次の節で確認します)、女性の割合が高い業種は、平均給与が低く出やすくなります。そこで、各業種の男性の平均と女性の平均を、全体の男女の人数の割合(男性56.8%・女性43.2%)で加重平均して、男女の構成をそろえた平均給与を計算しました。

業種そのままの平均男女の構成をそろえた平均順位(そのまま → そろえた)
電気・ガス・熱供給・水道業854万円802万円1位 → 1位
金融業,保険業726万円743万円2位 → 2位
情報通信業682万円652万円3位 → 3位
建設業590万円529万円4位 → 6位
製造業573万円533万円5位 → 5位
学術研究,専門・技術サービス業,教育,学習支援業568万円580万円6位 → 4位
不動産業,物品賃貸業512万円515万円7位 → 7位
複合サービス事業509万円496万円8位 → 8位
運輸業,郵便業482万円440万円9位 → 10位
医療,福祉424万円484万円10位 → 9位
卸売業,小売業413万円430万円11位 → 11位
サービス業402万円406万円12位 → 12位
農林水産・鉱業394万円391万円13位 → 13位
宿泊業,飲食サービス業276万円295万円14位 → 14位

変わるのは、順位の一部です。医療,福祉は、424万円(10位)から484万円(9位)になり、運輸業,郵便業(482万円 → 440万円)を上回ります。建設業と製造業も入れ替わります(529万円と533万円で、差は小さいです)。一方で、最高の電気・ガス・熱供給・水道業と最低の宿泊業,飲食サービス業は、そろえても変わらず、差も802万円と295万円と大きいままです。

この計算は、男女の人数の割合の違いだけを取り除く、単純な計算です。年齢、雇用形態(正社員かパート・アルバイトか)、勤続年数、働く時間の違いは取り除いていません。統計表にそれらを組み合わせた表がないため、「この業種は、本来はこれだけ高い(低い)」と言える数字ではなく、男女の構成の影響の大きさを見るための目安です。

どの業種でも、男性の平均のほうが高い

14の業種すべてで、男性の平均給与は女性より高くなっています。差が最も大きいのは金融業,保険業で、男性907万円、女性527万円と、380万円の差があります。次いで製造業の283万円です。差が最も小さいのは農林水産・鉱業の146万円ですが、男性の平均自体も454万円と、14業種の中で低いほうです。男女の差の理由は、この表からはわかりません。年齢別の男女差は、年齢別の平均年収のガイドにまとめています。

事業所の規模別の平均給与

事業所の従事員数人数平均給与男性女性
1〜4人269万人380万円465万円280万円
5〜9人302万人414万円512万円293万円
10〜29人685万人454万円548万円330万円
30〜99人835万人455万円542万円339万円
100〜499人1,078万人476万円569万円350万円
500〜999人432万人510万円620万円364万円
1,000〜4,999人774万人556万円685万円377万円
5,000人以上787万人548万円710万円341万円

事業所の従事員数が多いほど、平均給与は高くなる傾向があります。1〜4人の事業所の380万円に対して、1,000〜4,999人では556万円です。ただし、一番上の区分の5,000人以上は548万円で、1,000〜4,999人よりわずかに低くなっています(報告書にも同じ数字が印刷されています)。男性は5,000人以上で710万円と最も高い一方、女性は341万円で、500〜999人(364万円)や1,000〜4,999人(377万円)より低くなっています。ここでの規模は、給与を支払った事業所ごとの従事員数です(国税庁は、事業所の属する企業の規模を、別の区分で公表しています)。

平均を、自分の年収と比べるときの注意

  • 平均は、真ん中の人の年収(中央値)ではありません。年収の高い人が平均を押し上げます。電気・ガス・熱供給・水道業では、平均854万円に対して、階級別の人数から推定した中央値は約772万円です(推定値です。階級の中の位置は、統計表にないため、推定しています)。
  • 業種の中でも、年収は大きく違います。同じ業種の中での順位は、年収偏差値・上位何%の計算の「比べる相手」で、業種や事業所の規模を選んで調べられます。
  • この平均は、額面の年収です。手取りで比べるときは、手取り計算シミュレーションで、額面から手取りを計算できます。
  • この統計は、事業所が支払った給与を数えたもので、職種、年齢、地域、勤務時間は区別していません。業種の平均より低くても高くても、それだけで良し悪しはわかりません。

データは、国税庁「民間給与実態統計調査」令和7年分(1年を通じて勤務した給与所得者)です。この調査は毎年9月に公表されており、令和7年分は令和8年9月に公表されました。令和8年分が公表された時点で、この記事の数字を更新します(最終確認:2026年10月1日)。

出典

この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、税務・法律・投資その他の専門的助言ではありません。金額は概算の目安で、制度や金利は変更されることがあります。個別の状況については、税理士・社会保険労務士・金融機関などの専門家にご相談ください。