令和9年度の住民税は、年収別にいくら安くなる?給与所得控除の最低額が65万円→74万円になる影響(最大9,000円)と、非課税になる年収110万〜119万円

令和8・9年中の給与所得控除の最低額が65万円から74万円に上がるため、令和9年度・10年度の住民税は、同じ年収なら、独身・給与のみで年収190万円以下は最大9,000円安くなります(年収150万円・社会保険料を引かない場合で47,000円→38,000円)。190万〜220万円では減額が小さくなり、年収200万円で6,000円、220万円以上は変わりません。令和8年度に課税だった年収110万円超〜119万円の人は令和9年度から非課税で、年収115万円なら最大12,000円減ります。令和11年度は最低額が69万円になり、減額は最大4,000円に縮みます。社会保険料を引く場合の違いも、年収別の表を条文と自治体の案内から計算しました。

公開日 2026年10月21日

出典の確認・検証・訂正について

令和8年度の税制改正で、給与所得控除の最低額が引き上げられました。令和8年・9年の2年間は、さらに5万円が加わって74万円になります。住民税は前年の所得で決まるので、これが住民税に届くのは令和9年度(令和8年中の収入)からです。年収によって、いくら安くなるのかを、独身・給与だけの人で計算しました。

同じ年収なら、令和9年度と10年度の住民税は、年収190万円以下で最大9,000円(所得が足りる場合)安くなります。年収150万円(社会保険料を引かない場合)で、47,000円から38,000円です。190万円を超えると減額は小さくなり、年収200万円で6,000円、210万円で3,000円、220万円以上は変わりません。令和8年度に課税だった年収110万円超〜119万円の人は、令和9年度から非課税で、年収115万円なら最大12,000円減ります。

何が変わるのか:給与所得控除の最低額が65万円→74万円→69万円

給与所得は、給与収入から給与所得控除を引いた額です。収入が少ない人の控除額は、最低額で決まります。令和7年中の所得(令和8年度の住民税)は最低65万円(収入190万円以下)、令和8年・9年中の所得(令和9年度・10年度の住民税)は最低74万円(収入220万円以下)、令和10年中以後の所得(令和11年度以後)は最低69万円です(租税特別措置法第29条の4、所得税法第28条第3項)。住民税の所得は、所得税の計算の例によって求めるので、所得税と同じ改正が届きます(地方税法第32条第2項。仙台市・名古屋市の案内でも確認しました)。

控除が9万円増えると、課税所得が9万円減り、所得割(税率10%)が最大9,000円減ります。ただし、収入が190万円を超えると、令和8年度の側が「収入×30%+8万円」で控除額が65万円より大きくなり、増える控除額が小さくなります。収入220万円では、どちらも74万円で、差がなくなります。

年収別の表:独身・給与のみ(社会保険料を引かない場合)

同じ年収だった場合の、住民税(均等割5,000円+所得割。調整控除は引かない)です。基礎控除は住民税の43万円、総所得金額等が45万円以下なら非課税として計算しています。

年収(給与)令和8年度令和9・10年度令和9年度に安くなる額令和11年度令和8年度との差
110万円0円0円0円0円0円
115万円12,000円0円12,000円8,000円4,000円
119万円16,000円0円16,000円12,000円4,000円
120万円17,000円8,000円9,000円13,000円4,000円
130万円27,000円18,000円9,000円23,000円4,000円
150万円47,000円38,000円9,000円43,000円4,000円
180万円77,000円68,000円9,000円73,000円4,000円
190万円87,000円78,000円9,000円83,000円4,000円
200万円94,000円88,000円6,000円93,000円1,000円
210万円101,000円98,000円3,000円101,000円0円
220万円108,000円108,000円0円108,000円0円
250万円129,000円129,000円0円129,000円0円
300万円164,000円164,000円0円164,000円0円

社会保険料を引く場合は、安くなる額が小さい年収がある

会社の健康保険や厚生年金に入っている人は、社会保険料を所得から引くので、課税所得が小さくなります。次の表は、本サイトの手取り計算と同じ社会保険料(30歳・健康保険・厚生年金・雇用保険)を引いた場合です。課税所得が0円になる年収では、控除が増えても所得割は0円のままなので、安くなる額は小さく(または0円に)なります。

年収(給与)令和8年度令和9・10年度令和9年度に安くなる額令和11年度令和8年度との差
110万円0円0円0円0円0円
115万円5,000円0円5,000円5,000円0円
119万円5,000円0円5,000円5,000円0円
120万円5,000円5,000円0円5,000円0円
130万円7,800円5,000円2,800円5,000円2,800円
150万円24,900円15,900円9,000円20,900円4,000円
180万円50,500円41,500円9,000円46,500円4,000円
190万円59,000円50,000円9,000円55,000円4,000円
200万円64,500円58,500円6,000円63,500円1,000円
210万円70,000円67,000円3,000円70,000円0円
220万円75,600円75,600円0円75,600円0円
250万円92,200円92,200円0円92,200円0円
300万円119,800円119,800円0円119,800円0円
  • 年収120万円では、社会保険料を引かない場合は17,000円から8,000円(9,000円減)ですが、社会保険料を引く場合は、どちらも均等割だけの5,000円で、減りません。年収130万円でも、2,800円の減です。
  • 年収150万円から190万円までは、社会保険料を引いても、課税所得が十分あるので、どちらも9,000円減ります。
  • 社会保険に入らない人(家族の扶養に入っている人など)は、上の「引かない場合」の表のほうが近くなります。国民健康保険料などを払っている人は、その保険料も所得から引けるので、2つの表の間になります。

非課税になる年収110万〜119万円の人は、住民税がなくなる

単身の住民税の非課税の目安は、給与収入で、令和8年度が110万円、令和9年度・10年度が119万円です。基準の合計所得金額45万円は変わらず、控除が65万円から74万円に増えるぶん、収入の上限が9万円上がるからです。年収115万円の人は、令和8年度は課税(社会保険料を引かない場合は12,000円、引く場合は均等割5,000円)でしたが、令和9年度は非課税で0円になります。年収119万円では、最大16,000円減ります。

自分の家族の人数や級地、年金の収入で、非課税の上限がいくらになるかは、住民税非課税の判定シミュレーションで確かめられます。

令和11年度からは、最低額が69万円に戻る

74万円は、令和8年・9年の2年間だけの特例です。令和10年分(令和11年度)からは、最低額が69万円になります。令和8年度(65万円)より4万円高いので、同じ年収の住民税は、令和8年度より最大4,000円安い(年収150万円で47,000円→43,000円)ままですが、令和9年度・10年度より5,000円高くなります(年収150万円で38,000円→43,000円)。非課税の上限も、単身で給与収入114万円になります。この表の令和11年度は、条文の式(最低額69万円)で数えた概算です。

この表に入っていないこと

  • 独身・30歳・給与のみ・扶養なしの例です。扶養親族や配偶者がいる人、生命保険料控除・医療費控除などの所得控除がある人は、課税所得が違います。調整控除(単身で約2,500円)は引いていません。
  • 年収は同じだったとして比べています。令和7年・令和8年の実際の年収が違えば、住民税の差は変わります。住民税は前年の所得で決まるので、令和9年度の住民税は、令和8年中の収入で決まります。
  • 所得税の側でも、同じ給与所得控除の引き上げが令和8年分から働きます(このサイトの基礎控除・給与所得控除の改正がいつ給与に届くかの記事で扱っています)。この記事は、住民税だけの話です。
  • 自治体が公表している早見表は、人数の多い欄で、令和8年度の数字を令和9年度の表に載せたままのものがあります。この記事の数字は、条文と自治体の速算表をもとに、このサイトの計算で求めています。実際の住民税は、お住まいの市区町村の通知書で確認してください。

出典

この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、税務・法律・投資その他の専門的助言ではありません。金額は概算の目安で、制度や金利は変更されることがあります。個別の状況については、税理士・社会保険労務士・金融機関などの専門家にご相談ください。