「貯金の平均」は、調べた機関と、何を貯金に数えるかで大きく変わります。J-FLEC(金融経済教育推進機構)の2025年調査では、二人以上世帯の金融資産の平均が1,940万円、中央値が720万円で、15.7%の世帯は金融資産を持っていません。総務省の家計調査(貯蓄・負債編)では、貯蓄現在高の平均が2,059万円、貯蓄を持つ世帯の中央値が1,264万円です。
世帯主の年代別:J-FLEC 2025(二人以上世帯、5,000世帯)
| 世帯主の年代 | 金融資産なし | 平均 | 中央値 | 持つ世帯の中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 20代 | 21.6% | 525万円 | 125万円 | 260万円 |
| 30代 | 17.6% | 1,096万円 | 311万円 | 500万円 |
| 40代 | 18.8% | 1,486万円 | 500万円 | 828万円 |
| 50代 | 18.2% | 1,908万円 | 700万円 | 1,050万円 |
| 60代 | 12.8% | 2,683万円 | 1,400万円 | 1,775万円 |
| 70代 | 10.9% | 2,416万円 | 1,178万円 | 1,495万円 |
| 全体 | 15.7% | 1,940万円 | 720万円 | 1,050万円 |
「平均」「中央値」は、金融資産を持たない世帯を0円として含めた値で、右端だけが、持つ世帯(4,216世帯)に限った中央値です。持たない世帯を除くと、全体の平均は2,309万円、中央値は1,050万円です。
年間収入別:J-FLEC 2025
| 年間収入(世帯) | 金融資産なし | 平均 | 中央値 | 持つ世帯の中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円未満 | 28.6% | 858万円 | 100万円 | 330万円 |
| 300~500万円未満 | 17% | 1,431万円 | 550万円 | 900万円 |
| 500~750万円未満 | 12.4% | 1,755万円 | 800万円 | 1,000万円 |
| 750~1,000万円未満 | 9.3% | 2,222万円 | 1,200万円 | 1,480万円 |
| 1,000~1,200万円未満 | 6.8% | 2,725万円 | 1,520万円 | 1,710万円 |
| 1,200万円以上 | 8.8% | 5,635万円 | 3,000万円 | 3,500万円 |
年間収入が高いほど中央値は高く、300万円未満の世帯の中央値は100万円、1,200万円以上は3,000万円です。ただし、収入が高い世帯は年齢も高いことが多く、年代の違いも混じっています。
家計調査(貯蓄・負債編)2025:貯蓄と負債を並べる
| 世帯主の年齢 | 貯蓄現在高 | 負債現在高 | 差し引き | 負債のある世帯 |
|---|---|---|---|---|
| 40歳未満 | 994万円 | 1,882万円 | −888万円 | 64.3% |
| 40〜49歳 | 1,381万円 | 1,483万円 | −102万円 | 67% |
| 50〜59歳 | 1,756万円 | 743万円 | 1,013万円 | 53.7% |
| 60〜69歳 | 2,843万円 | 234万円 | 2,609万円 | 26.5% |
| 70歳以上 | 2,471万円 | 81万円 | 2,390万円 | 10.4% |
家計調査は、50歳未満では負債が貯蓄を上回り(住宅ローンなど)、50歳以上で貯蓄が上回ると報告しています。全体では、貯蓄現在高の平均2,059万円、年間収入の平均681万円で、貯蓄は年収の約302.3%です。貯蓄の中身は、通貨性預貯金710万円、定期性預貯金511万円、有価証券440万円、生命保険など369万円、金融機関外29万円です。
手取りの何割を貯めているか:二つの調査は同じ数字を測っていない
- J-FLEC(金融資産を保有する4,216世帯):過去1年間に手取り収入を金融資産に振り分けた世帯は38.4%、全く振り分けなかった世帯は61.6%です。振り分けた世帯の平均は、手取り収入の35%でした。
- 家計調査(二人以上の勤労者世帯、月平均):可処分所得532,408円から消費支出346,297円を引いた黒字が186,111円(黒字率35.0%)。そのうち預貯金純増が177,061円です。
どちらも35%前後に見えますが、母集団(金融資産を持つ世帯と勤労者世帯)、期間、数え方(振り分けた世帯だけの平均と、全世帯の平均的な黒字)が違うため、比べられません。J-FLECの値は、インターネットモニター調査の自己申告です。
| 世帯主の年代 | 振り分けた世帯 | 振り分けた世帯の平均(手取りに対する割合) |
|---|---|---|
| 20代 | 59% | 47% |
| 30代 | 50.2% | 40% |
| 40代 | 46% | 37% |
| 50代 | 41.9% | 34% |
| 60代 | 33% | 30% |
| 70代 | 24% | 32% |
若い世代ほど「振り分けた」世帯の割合が高く、20代は59%、70代は24%です。
何のために貯めているか
J-FLECの調査で、金融資産の保有目的(3つまで選択、全世帯)は、老後の生活資金が56.1%、病気や不時の災害への備えが41.1%、旅行・レジャーが17%、こどもの教育資金が16.7%でした。
読むときの注意
- J-FLECは、世帯主が20〜79歳で2人以上の世帯5,000世帯を、2025年6月20日〜7月2日にインターネットモニターで調べたものです。単身世帯は別の調査(平均919万円)です。
- 前年の2024年は、平均1,374万円・中央値350万円で、2025年は中央値が約2倍です。報告書の図からの読み取りで、実際の変化か、回答した世帯の構成の違いかは、調査資料からは分かりません。前年との比較は慎重に。
- J-FLECは2026年1月21日に、2025年の有価証券の値を755万円から727万円に訂正しました。合計の1,940万円と中央値は変わりません。
- 家計調査の「貯蓄現在高」の平均は、貯蓄0の世帯を含みます。「貯蓄保有世帯の中央値」は、貯蓄0の世帯を除いた値で、0を含めた中央値は1,167万円(参考値)です。
- 自分の世帯が平均や中央値より少ない・多いことは、足りている・足りないことを意味しません。生活費、住居費、住宅ローンの有無、年金の見込みで変わります。
貯めたお金の置き場所は、新NISA 資産額シミュレーションや、ポイントの有効期限のように、条件を確かめて選んでください。
この記事は、公的機関の調査(2026年10月11日に確認)にもとづく一般的な情報で、個別の資産運用・税務の助言ではありません。
出典
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」二人以上世帯調査(調査結果、2025年12月18日。2026年1月21日に図表の訂正)
- J-FLEC「家計の金融行動に関する世論調査」の訂正について(2026年1月21日。有価証券755万円→727万円)
- J-FLEC 二人以上世帯調査 各種分類別データ(Excel。年齢別・年間収入別の平均・中央値、手取り収入の振り分け、保有目的)
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」(2026年5月19日)
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」(勤労者世帯の可処分所得・消費支出・黒字)