貯金の平均は1,940万円、中央値は720万円?家計調査の2,059万円と食い違う理由と、年代別・年収別の表、手取りの何割を貯めているか(2025年調査)

金融経済教育推進機構(J-FLEC)の2025年調査では、二人以上世帯の金融資産は平均1,940万円、中央値720万円で、15.7%の世帯は金融資産を持っていません。総務省の家計調査(貯蓄・負債編)は平均2,059万円、貯蓄保有世帯の中央値1,264万円です。数字が違うのは、数えているものが違うためです。年代別・年収別の表と、手取りの何割を貯めているか(J-FLECでは過去1年に振り分けた世帯は38.4%、家計調査の勤労者世帯の黒字率は35.0%)を、公式の数字で並べました。

公開日 2026年10月11日

出典の確認・検証・訂正について

「貯金の平均」は、調べた機関と、何を貯金に数えるかで大きく変わります。J-FLEC(金融経済教育推進機構)の2025年調査では、二人以上世帯の金融資産の平均が1,940万円、中央値が720万円で、15.7%の世帯は金融資産を持っていません。総務省の家計調査(貯蓄・負債編)では、貯蓄現在高の平均が2,059万円、貯蓄を持つ世帯の中央値が1,264万円です。

平均は、少数の大きな資産を持つ世帯に引き上げられます。J-FLECの報告書も、中央値のほうが実感に近いと説明しています。さらに、J-FLECの「金融資産」は、日常の出し入れ・引落し用の預貯金を含まず、家計調査の「貯蓄」は含みます。数字が合わないのは、同じものを測っていないためです。

世帯主の年代別:J-FLEC 2025(二人以上世帯、5,000世帯)

世帯主の年代金融資産なし平均中央値持つ世帯の中央値
20代21.6%525万円125万円260万円
30代17.6%1,096万円311万円500万円
40代18.8%1,486万円500万円828万円
50代18.2%1,908万円700万円1,050万円
60代12.8%2,683万円1,400万円1,775万円
70代10.9%2,416万円1,178万円1,495万円
全体15.7%1,940万円720万円1,050万円

「平均」「中央値」は、金融資産を持たない世帯を0円として含めた値で、右端だけが、持つ世帯(4,216世帯)に限った中央値です。持たない世帯を除くと、全体の平均は2,309万円、中央値は1,050万円です。

年間収入別:J-FLEC 2025

年間収入(世帯)金融資産なし平均中央値持つ世帯の中央値
300万円未満28.6%858万円100万円330万円
300~500万円未満17%1,431万円550万円900万円
500~750万円未満12.4%1,755万円800万円1,000万円
750~1,000万円未満9.3%2,222万円1,200万円1,480万円
1,000~1,200万円未満6.8%2,725万円1,520万円1,710万円
1,200万円以上8.8%5,635万円3,000万円3,500万円

年間収入が高いほど中央値は高く、300万円未満の世帯の中央値は100万円、1,200万円以上は3,000万円です。ただし、収入が高い世帯は年齢も高いことが多く、年代の違いも混じっています。

家計調査(貯蓄・負債編)2025:貯蓄と負債を並べる

世帯主の年齢貯蓄現在高負債現在高差し引き負債のある世帯
40歳未満994万円1,882万円−888万円64.3%
40〜49歳1,381万円1,483万円−102万円67%
50〜59歳1,756万円743万円1,013万円53.7%
60〜69歳2,843万円234万円2,609万円26.5%
70歳以上2,471万円81万円2,390万円10.4%

家計調査は、50歳未満では負債が貯蓄を上回り(住宅ローンなど)、50歳以上で貯蓄が上回ると報告しています。全体では、貯蓄現在高の平均2,059万円、年間収入の平均681万円で、貯蓄は年収の約302.3%です。貯蓄の中身は、通貨性預貯金710万円、定期性預貯金511万円、有価証券440万円、生命保険など369万円、金融機関外29万円です。

手取りの何割を貯めているか:二つの調査は同じ数字を測っていない

  • J-FLEC(金融資産を保有する4,216世帯):過去1年間に手取り収入を金融資産に振り分けた世帯は38.4%、全く振り分けなかった世帯は61.6%です。振り分けた世帯の平均は、手取り収入の35%でした。
  • 家計調査(二人以上の勤労者世帯、月平均):可処分所得532,408円から消費支出346,297円を引いた黒字が186,111円(黒字率35.0%)。そのうち預貯金純増が177,061円です。

どちらも35%前後に見えますが、母集団(金融資産を持つ世帯と勤労者世帯)、期間、数え方(振り分けた世帯だけの平均と、全世帯の平均的な黒字)が違うため、比べられません。J-FLECの値は、インターネットモニター調査の自己申告です。

世帯主の年代振り分けた世帯振り分けた世帯の平均(手取りに対する割合)
20代59%47%
30代50.2%40%
40代46%37%
50代41.9%34%
60代33%30%
70代24%32%

若い世代ほど「振り分けた」世帯の割合が高く、20代は59%、70代は24%です。

何のために貯めているか

J-FLECの調査で、金融資産の保有目的(3つまで選択、全世帯)は、老後の生活資金が56.1%、病気や不時の災害への備えが41.1%、旅行・レジャーが17%、こどもの教育資金が16.7%でした。

読むときの注意

  • J-FLECは、世帯主が20〜79歳で2人以上の世帯5,000世帯を、2025年6月20日〜7月2日にインターネットモニターで調べたものです。単身世帯は別の調査(平均919万円)です。
  • 前年の2024年は、平均1,374万円・中央値350万円で、2025年は中央値が約2倍です。報告書の図からの読み取りで、実際の変化か、回答した世帯の構成の違いかは、調査資料からは分かりません。前年との比較は慎重に。
  • J-FLECは2026年1月21日に、2025年の有価証券の値を755万円から727万円に訂正しました。合計の1,940万円と中央値は変わりません。
  • 家計調査の「貯蓄現在高」の平均は、貯蓄0の世帯を含みます。「貯蓄保有世帯の中央値」は、貯蓄0の世帯を除いた値で、0を含めた中央値は1,167万円(参考値)です。
  • 自分の世帯が平均や中央値より少ない・多いことは、足りている・足りないことを意味しません。生活費、住居費、住宅ローンの有無、年金の見込みで変わります。

貯めたお金の置き場所は、新NISA 資産額シミュレーションや、ポイントの有効期限のように、条件を確かめて選んでください。

この記事は、公的機関の調査(2026年10月11日に確認)にもとづく一般的な情報で、個別の資産運用・税務の助言ではありません。

出典

この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、税務・法律・投資その他の専門的助言ではありません。金額は概算の目安で、制度や金利は変更されることがあります。個別の状況については、税理士・社会保険労務士・金融機関などの専門家にご相談ください。