会社員の障害年金は、厚生年金に入って1年でも25年分で計算される?300月みなしの仕組みと、2級・1級・3級の年額を平均標準報酬額別に(令和8年度)

障害厚生年金の報酬比例の額は、厚生年金に入っていた期間が300か月(25年)に満たなければ、合計に300÷月数を掛けて、300か月分で計算されます。平均標準報酬額が30万円なら、12か月でも299か月でも報酬比例は493,290円で、2級は障害基礎年金とあわせて1,340,590円(国民年金だけの人の2級847,300円より年約49万円多い)、1級は1,675,738円、3級は最低保障の635,500円です。平均標準報酬額20万〜60万円の等級別の年額表、3級が最低保障額になる平均標準報酬額の上限(38万6,400円)、子2人と配偶者がいる場合の加算、平成15年3月以前の期間がある場合の計算を、条文と日本年金機構の令和8年度の金額から計算しました。

公開日 2026年11月5日

出典の確認・検証・訂正について

会社員(公務員)が病気やけがで障害年金を受け取るとき、障害厚生年金の報酬比例の額は、厚生年金に入っていた期間が300か月(25年)に満たなければ、300か月入っていたものとして計算されます。入って1年でも、10年でも、平均標準報酬額が同じなら、報酬比例の額は同じです。国民年金だけの人(自営業・学生・無職など)との差と、等級ごとの年額を、条文と日本年金機構の令和8年度の金額から計算しました。

平均標準報酬額が30万円なら、厚生年金に12か月入っていても、120か月でも、299か月でも、報酬比例は493,290円です。2級の障害年金は、障害基礎年金847,300円とあわせて1,340,590円。国民年金だけの人の2級(847,300円)より、年493,290円多くなります。

300か月に満たなければ、300÷月数を掛ける

障害厚生年金の額は、老齢厚生年金と同じ計算式(平均標準報酬額×5.481/1000×月数。平成15年3月以前の期間は平均標準報酬月額×7.125/1000×月数)で求めます。被保険者期間の月数が300に満たないときは、この合計に「300÷月数」を掛けます(厚生年金保険法第50条第1項、平成12年法律第18号附則第20条第3項)。月数を掛けて、300÷月数を掛けるので、月数が相殺されて、平均標準報酬額と300か月分の額になります。ただし、障害認定日の属する月より後の期間は計算に入りません(第51条)。

厚生年金の月数(平成15年4月以後)報酬比例の額(平均標準報酬額30万円、2級)300月みなし
12か月(1年)493,290円みなす
120か月(10年)493,290円みなす
299か月(24.9年)493,290円みなす
300か月(25年)493,290円実際の月数
360か月(30年)591,948円実際の月数
420か月(35年)690,606円実際の月数
480か月(40年)789,264円実際の月数

300か月以上になると、実際の月数で計算するので、1か月増えるごとに約1,644円(平均標準報酬額30万円)ずつ増えます。同じ平均標準報酬額なら、360か月で591,948円、480か月で789,264円です。遺族厚生年金(死亡した人が在職中などのとき)にも、同じ300月みなしがあります(厚生年金保険法第60条)。

等級別・平均標準報酬額別の年額(子・配偶者なし)

平成15年4月以後に厚生年金へ120か月入っていた人(300月みなし)の、令和8年度の年額です。国民年金だけの人は、2級847,300円・1級1,059,125円で、3級はありません。1級は、報酬比例の額の1.25倍に、障害基礎年金(1級)が加わります。

平均標準報酬額1級2級3級
20万円1,470,200円1,176,160円635,500円
25万円1,572,969円1,258,375円635,500円
30万円1,675,738円1,340,590円635,500円
40万円1,881,275円1,505,020円657,720円
50万円2,086,813円1,669,450円822,150円
60万円2,292,350円1,833,880円986,580円

3級は、障害厚生年金だけで、障害基礎年金がつきません。報酬比例の額が、最低保障額(障害基礎年金の2級の3/4で、令和8年度は635,500円)より低いと、最低保障額になります。300月みなしの場合、平均標準報酬額が38.64万円までは3級でも最低保障額で、38.65万円を超えると報酬比例の額になります(40万円で657,720円)。

子と配偶者がいると、いくら増える

障害基礎年金には、生計を維持している子(18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の子)がいれば、2人目まで1人243,800円、3人目から81,300円が加わります。障害厚生年金の1級・2級には、生計を維持している65歳未満の配偶者がいれば、配偶者の加給年金243,800円が加わります(3級にはありません)。平均標準報酬額30万円で2級の人に、子が2人と配偶者がいると、年2,071,990円(1,340,590円+子の加算487,600円+配偶者の加給年金243,800円)です。国民年金だけの人は、配偶者の加給年金はありません。

平成15年3月以前の期間があるとき

平成15年3月以前の期間は、ボーナスを含まない平均標準報酬月額に7.125/1000、平成15年4月以後は、ボーナスを含む平均標準報酬額に5.481/1000を掛けます。たとえば、平成15年3月以前が100か月(平均標準報酬月額25万円)、平成15年4月以後が150か月(平均標準報酬額40万円)なら、178,125円+328,860円=506,985円で、合計250か月は300か月に満たないので、300÷250を掛けて608,382円(2級)です。

この計算に入っていないこと

障害の等級は、診断書などをもとに日本年金機構が認定するもので、ここでは決まりません。初診日の前日までの保険料の納付要件(3分の2以上、または令和18年3月末日までの初診日で65歳未満なら直近1年間に未納なし)、障害認定日、事後重症の請求、20歳前の傷病による障害基礎年金の所得制限、昭和21年4月2日より前に生まれた人の乗率、従前額保障、障害手当金は入れていません。平均標準報酬額は、ねんきん定期便・ねんきんネットの再評価後の額を使ってください。計算は、障害年金の年金額の計算で、お手元の記録を入れて確かめられます。障害年金には税金がかかりません(国民年金法第25条、厚生年金保険法第41条第2項)。

出典

この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、税務・法律・投資その他の専門的助言ではありません。金額は概算の目安で、制度や金利は変更されることがあります。個別の状況については、税理士・社会保険労務士・金融機関などの専門家にご相談ください。