住宅ローンの繰上返済で減らせるのは「将来の利息」です。同じ100万円を返すにしても、いつ返すか、金利がいくらか、 どの方式で返すかで、効果はかなり違います。この記事では、借入3,000万円・金利1.5%・35年・元利均等返済のローンで100万円を 繰上返済したときの利息の軽減額を、本サイトの計算エンジンで比べます。
繰上返済の2つの方式
住宅金融支援機構(フラット35)の説明では、一部繰上返済の方式は次の2つです。
- 期間短縮型:月々の返済額は今までどおりの額にし、返済額に応じて借入期間を短縮する方法。
- 返済額軽減型:借入期間は今までどおりにし、月々の返済額を少なくする方法。
実行する時期で、効果は約9倍違う
100万円を、返済開始から1年後、5年後、10年後、20年後、30年後に一度だけ繰上返済した場合の結果です。
| 実行時期 | 期間短縮型:利息の軽減額 | 期間短縮型:短縮される期間 | 返済額軽減型:利息の軽減額 | 返済額軽減型:毎月の返済額 |
|---|---|---|---|---|
| 1年後 | ¥647,209 | 1年5か月 | ¥277,193 | ¥91,855 → ¥88,725 |
| 5年後 | ¥552,344 | 1年4か月 | ¥242,433 | ¥91,855 → ¥88,404 |
| 10年後 | ¥441,328 | 1年3か月 | ¥199,809 | ¥91,855 → ¥87,856 |
| 20年後 | ¥242,360 | 1年1か月 | ¥117,337 | ¥91,855 → ¥85,648 |
| 30年後 | ¥70,661 | 0年11か月 | ¥38,593 | ¥91,855 → ¥74,545 |
1年後に繰上返済すると、期間短縮型で利息が約65万円減りますが、30年後では約7万円にとどまります。 利息は残っている元本にかかるので、元本が大きい早い時期に返すほど、その後に発生するはずだった利息を多く減らせるためです。 なお、同じ100万円を繰上返済しても、期間短縮型のほうが返済額軽減型より利息の軽減額は大きくなっています。
金利が高いほど、効果は大きい
同じ100万円を5年後に繰上返済した場合を、金利別に比べます。
| 金利(年率) | 期間短縮型:利息の軽減額 | 期間短縮型:短縮される期間 | 返済額軽減型:利息の軽減額 |
|---|---|---|---|
| 0.5% | ¥158,441 | 1年2か月 | ¥77,082 |
| 1.5% | ¥552,344 | 1年4か月 | ¥242,433 |
| 2.5% | ¥1,075,176 | 1年7か月 | ¥422,435 |
どちらの方式を選ぶか
利息を減らす効果だけを見るなら、同じ金額では期間短縮型が有利です。一方、返済額軽減型は返済期間が変わらない代わりに、 毎月の返済額が下がります(5年後に100万円を繰上返済すると、月¥91,855が¥88,404になる計算です)。月々の家計の負担を軽くしたいのか、総額を減らしたいのか、 目的で選ぶことになります。どちらが合うかは、収入の見通しや手元資金の余裕によって変わるため、この記事は特定の方式を すすめるものではありません。
実行する前に確認したいこと
繰上返済の条件は金融機関によって異なります。参考として、フラット35では一部繰上返済の最低額は金融機関経由で100万円以上、 インターネットサービス経由で10万円以上で、手続きの手数料はかかりません。繰上返済の際には、経過利息(前回の返済日の翌日から 繰上返済日までに発生する利息)の支払いが必要になる場合があり、実行の1か月前までに申し出る必要があります (住宅金融支援機構)。ご自身のローンの条件は、借入先の金融機関で確認してください。
自分の条件で試すには、住宅ローン返済・繰上返済シミュレーションをお使いください。 毎年決まった金額を繰上返済する場合も計算できます。