マイホームを買うと、不動産取得税が数十万円かかると思われがちですが、新築の戸建てでは、軽減措置を受けると0円になることが少なくありません。その境目は、家屋は「評価額が1,200万円以内」、土地は「広さが、住宅の床面積の2倍(最大200㎡)以内」です。地方税法の条文どおりに、広さ別・評価額別の税額を計算しました。
家屋は、評価額が控除額(1,200万円)以内なら0円
床面積が40㎡以上240㎡以下の新築住宅(新築未使用の購入を含む)は、取得した家屋の価格から1,200万円を引いた額が課税標準になります。認定長期優良住宅は、令和13年3月31日までの取得なら1,300万円です(地方税法第73条の14第1項、附則第11条第8項)。中古住宅は、自分で住む場合に、新築された日に応じた額(昭和57年1月1日以後の新築で420万〜1,200万円)を引きます。昭和56年12月31日以前に新築された住宅は、新耐震基準に適合する証明が必要です。税額は、課税標準額(千円未満切り捨て)に3%を掛けて、百円未満を切り捨てます。
| 家屋の評価額 | 新築 | 新築(認定長期優良住宅) | 中古(平成9年4月以後の新築) | 中古(平成元年4月〜平成9年3月) | 中古(昭和57年1月〜昭和60年6月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 800万円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 114,000円 |
| 1,200万円 | 0円 | 0円 | 0円 | 60,000円 | 234,000円 |
| 1,500万円 | 90,000円 | 60,000円 | 90,000円 | 150,000円 | 324,000円 |
| 2,000万円 | 240,000円 | 210,000円 | 240,000円 | 300,000円 | 474,000円 |
| 3,000万円 | 540,000円 | 510,000円 | 540,000円 | 600,000円 | 774,000円 |
評価額は購入価格や建築費ではなく、固定資産税評価額(新築の家屋は都道府県が評価した価格)です。新築の評価額が1,200万円(長期優良住宅は1,300万円)以内なら、家屋の不動産取得税は0円です。評価額がそれを超えた分にだけ、3%がかかります。中古で築年が古いと控除が小さくなり(平成元年4月〜平成9年3月は1,000万円、昭和60年7月〜平成元年3月は450万円、昭和57年1月〜昭和60年6月は420万円)、同じ評価額でも税額は大きくなります。
土地は、「当初の税額」から「床面積の2倍(200㎡まで)の分」が引かれる
宅地の価格は、令和9年3月31日までの取得なら1/2が課税標準です(附則第11条の5)。税率は3%なので、評価額が3,750万円の土地の当初の税額は、3,750万円×1/2×3%=562,500円です。住宅とセットで取得するなど条件に当たると、この税額から、次の「150万円×税率」と「土地1㎡の価格×住宅の床面積の2倍(200㎡まで)×税率」のうち多いほうが引かれます(地方税法第73条の24第1項。税率3%のとき、150万円×税率は45,000円)。
1㎡あたりの価格を掛けるので、引かれる額は「土地全体の当初の税額のうち、床面積の2倍(200㎡まで)の広さの分」にあたります。土地の広さが、この広さ以内なら、当初の税額が全額減額されて土地の不動産取得税は0円です。超えると、超えた広さの分だけ税額が残ります。
たとえば、地積300㎡・評価額7,500万円の土地に、床面積100㎡の住宅を建てると、当初の税額は1,125,000円、減額は1㎡あたり125,000円×200㎡×3%=750,000円で、残りの375,000円(300㎡のうち100㎡の分)が土地の不動産取得税です。
土地の広さ別・床面積別の税額
1㎡あたりの評価額が25万円の宅地(令和9年3月31日までの取得で価格の1/2)を、新築住宅とともに自分で住むために取得したとき(土地の評価額は広さに比例)の、土地の不動産取得税です。
| 土地の地積 | 床面積60㎡ | 床面積80㎡ | 床面積100㎡ | 床面積120㎡ |
|---|---|---|---|---|
| 66㎡(評価額1,650万円) | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 100㎡(評価額2,500万円) | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 132㎡(評価額3,300万円) | 45,000円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 165㎡(評価額4,125万円) | 168,700円 | 18,700円 | 0円 | 0円 |
| 200㎡(評価額5,000万円) | 300,000円 | 150,000円 | 0円 | 0円 |
| 250㎡(評価額6,250万円) | 487,500円 | 337,500円 | 187,500円 | 187,500円 |
| 300㎡(評価額7,500万円) | 675,000円 | 525,000円 | 375,000円 | 375,000円 |
地積が100㎡以内なら、床面積60㎡以上で0円です。床面積が100㎡以上なら、200㎡までの土地は0円で、それを超える広さは、床面積が大きくても200㎡で頭打ちです(地積300㎡・床面積100㎡も120㎡も375,000円)。住宅が小さいときは、減額の対象の広さも小さくなります(地積200㎡で床面積80㎡なら150,000円、60㎡なら300,000円)。減額の下限の45,000円は、土地が広くて住宅が小さいときに効きます(地積132㎡・床面積60㎡では、当初の税額495,000円から450,000円が引かれて45,000円)。
土地の減額が受けられるのは、住宅との組み合わせに当たるときだけ
土地の減額は、土地だけを取得しても受けられません。新築住宅を買うときは「自分で住む(または新築から1年以内の取得)」、土地を買って住宅を新築するときは「土地を取得した日から3年以内(令和13年3月31日までに取得した土地。そのあとは2年以内)に新築し、それまで土地を持ち続ける(または譲った相手が新築する)」、中古住宅のときは「自分で住む耐震基準適合既存住宅とその敷地を、前後1年以内に取得する」などの組み合わせが必要です(第73条の24、附則第10条の3第2項)。住宅が完成するまでは、土地の税額の納付を猶予する制度があります(神奈川県などの案内)。
共有(持分)で取得するときは、控除と減額は持分に応じて計算します。たとえば夫婦が半分ずつ取得し、2人とも自分で住むなら、家屋の控除1,200万円はそれぞれの持分の価格から引き、土地の減額もそれぞれの持分に応じます(東京都・大阪府の案内)。
令和8年4月と、令和9年4月に気をつけること
令和8年4月1日以後に取得する住宅は、床面積の要件が「40㎡以上240㎡以下」(それまでは50㎡以上)です。土地の減額は、土地を取得した日で要件が決まります。令和8年3月31日以前に取得した土地は、あとで40㎡の住宅を建てても、土地の減額は受けられません(神奈川県の案内)。免税点も、令和8年4月1日以後の取得から、土地16万円・家屋の建築66万円・そのほか34万円に上がりました(第73条の15の2)。
住宅・土地の税率3%と、宅地の価格の1/2は、令和9年3月31日までの取得に限られています(附則第11条の2、第11条の5)。現行法のまま令和9年4月1日以後に取得すると、税率は標準税率の4%で、宅地の1/2もなくなります。同じ新築(家屋1,500万円、評価額3,750万円・150㎡の土地)でも、家屋は90,000円から120,000円に、土地の当初の税額は562,500円から1,500,000円になります(土地は減額されるので、150㎡なら0円のままです)。延長されるかどうかは令和9年度の税制改正で決まるので、取得が令和9年3月末をまたぐ場合は、そのときの法令を確かめてください。
この計算に入っていないこと
併用住宅・店舗付き住宅、貸家・サービス付き高齢者向け住宅、耐震基準不適合既存住宅(取得後に耐震改修)、宅地建物取引業者の買取再販、収用・被災・都市再開発などの特例、都道府県が行う評価そのものは入れていません。実際の通知は、評価額と、住宅の要件・土地との組み合わせの判断を含めて、都道府県が決めます。お手元の評価額で確かめるには、不動産取得税の計算を使ってください。
出典
- e-Gov法令検索 — 地方税法(第73条の14 住宅の控除、第73条の15の2 免税点、第73条の24 住宅用土地の減額、附則第11条の2 税率3%、附則第11条の5 宅地評価土地の1/2、附則第11条第8項 認定長期優良住宅1,300万円。令和8年11月1日施行の版)
- e-Gov法令検索 — 地方税法施行令(第37条の16〜第37条の18 床面積40㎡以上240㎡以下。令和8年4月1日以後の取得)
- 東京都主税局 — 「不動産取得税の軽減制度について」(住宅用土地の減額の計算式。土地6,000万円・住宅1,500万円・150㎡の計算例。令和5年7月作成)
- 大阪府 — 不動産取得税のあらまし(新築未使用の住宅1,300万円・150㎡と土地2,400万円・120㎡の計算例。令和6年の例)
- 神奈川県 — 新築の場合の軽減措置・中古の場合の軽減措置(控除額の表、令和8年3月31日以前に取得した土地の例)